気磨暮俳句会 | |||
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第203回気磨暮俳句会のご報告 <如水庵から> 講評 三田土龍 平成22年12月19日(日)骨酒すぎ「二階和室」 | ||
出席者(9名) 三田土龍 小田一生 板倉迷酔 杉村酔月 平岩鹿月 岩月真之介 市川一気 鈴木たかこ姫 磯部睦語呂 投句者(9名) 鈴木亜斗武 建長寺彩夏 吉里ひとみ 金子エム 牧原裕三 本多雅女 田中まるこ 尾池豊念 小野田初枝 五年程前、名古屋市博物館で「円空展」が開催されていることを知り、何の知識のないままに出かけて行った。会場には一体一体の 円空仏の前に立ち止まっては見入っている人達がかなりの数いた。小生もその迫力にすっかりのみこまれてしまった。本物が欲しいと 思ったが無理なことで十センチ程の善財童子のレプリカを一体購入した。以来五年、部屋に置き毎日それを眺めてきた。今年にはいりど うしてももっと大きなのがほしくなり友人に話してみると、今度の休日に買いに行こうと言ってくれた。調べてみると岐阜県郡上市美並長の 道の駅でそれが手に入ることがわかった。友人の運転で美並の道の駅に行ってみると土産物店の一画にたくさん展示してあった。その 中から円空彫の仏像六体を購入した。三十から六十センチの仏達が我が家にいらっしゃった。ありがたいことである。はい講評。 磯部睦語呂 「着ぶくれし老婆を降ろす福祉バス」平明です。 牧原祐三 「夜明けまで果てしなきかな毛糸編む」上五中七と下五の取り合わせが祐三氏独特で他に類がない。 鈴木亜斗武 「世を拗ねた貌で鮟鱇競られけり」「鮟鱇」の句には名句が多々あるものの、この句もそれに劣らない。 小野田初枝 「夕暮れや帰り急がす十二月」すぐ夜がやってきちゃうからねえ。 岩月真之介 「饒舌の人となりけり忘年会」いるんだよねえ、こういう人。つかまりたくないねえ。 |
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第202回気磨暮俳句会のご報告 <如水庵から> 講評 三田土龍 平成22年11月21日(日)蒲郡荘「小島A」 | ||
出席者(9名) 三田土龍 小田一生 板倉迷酔 杉村酔月 本多雅女 平岩鹿月 岩月真之介 田中まるこ 杉浦末川 投句者(6名) 鈴木亜斗武 建長寺彩夏 吉里ひとみ 金子エム 牧原裕三 市川一気 「驚きを忘れし我に秋の水」蒲郡市 牧原祐三。大串章壱選評。第一句。驚きや感動を忘れ、何事にも鈍感になった自分。その自分 を清冽な秋の水が目覚めさせてくれた。自然の力はありがたい。11月8日(月)朝日俳壇に今年再度 1位の座を得た牧原祐三氏であ る。六千句の中からの 1位はすごい。正にサプライズ。ご本人はあいかわらずひょうひょうとした表情で「これで年間トップが狙える」と おっしゃるからやっぱりサプライズ。その秋の水が水道水だったのか井戸水だったのか、どこかの湧水だったのかは聞いていないが、 その水に感謝ですね。それと祐三氏の感性の繊細さに感服です。祐三氏が言うには「現実が厳しいから俳句が生まれる」ということで すが、それがいわゆる風流ということですからOKですよ。氏を見習いたいものです。それでは、微力ながら講評を始めます。 田中まるこ 「もの言えぬ母に届けしカーディガン」もう半年以上入院の母上への愛情。心を打つ。 金子エム 「勤労の右手左手感謝の日」啄木の例の短歌の本歌取り。ただし、こちらにはユーモアも垣間見える。 杉浦末川 「木枯しやバス待つ老女皴深く」小生、皴の深い女性で思い出すのは、マザー・テレサです。テレサ・テンには、あんまり皴 がなかったなあ。 小田一生 「食べ過ぎて散歩の出来ぬ食の秋」ここまで正直に呟かれますと、「そうですね」と答えるしかない。 三田土龍 「江ノ電の踏切小さし山蕗の花」数十年ぶりの鎌倉。一日で14句もでき上機嫌の土龍がいた。 |
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第201回気磨暮俳句会のご報告 <如水庵から> 講評 三田土龍 平成22年10月24日(日)蒲郡荘「小島A」 | ||
出席者(8名) 三田土龍 小田一生 板倉迷酔 杉村酔月 本多雅女 鈴木たかこ姫 平岩鹿月 岩月真之介 投句者(7名) 鈴木亜斗武 建長寺彩夏 吉里ひとみ 田中まるこ 金子エム 牧原裕三 杉浦末川 美人女優の戸田奈穂さんが時々NHKの俳句王国にゲストとして出演する。この十月にも出演していて「天高しどんな風にも生きら れる」を出句して当日一番の選になった。彼女、現在婚約中とかで生き生きした顔をしていた。小生もこの句がいたく気に入り、早速当 日の日記にメモした。「どんな風にも生きられる」んだよ人間は。人に勇気を与える言葉である。彼女自身も 35年の人生でいろんな目 にあってきたんだろう。しかし今、結婚を前にしてこんな素敵な心境にいるんだろう。自祝の句であると共に他人に勇気を与える句でも ある。たった十七音の短詩でありながら俳句には無限の可能性が秘められている。改めてそんな気分にさせてくれた戸田奈穂さんで あった。ちなみに小生は彼女のファンでもある。はい、講評を始めます。 鈴木たかこ姫 「柿の里無人販売賑わえり」漢字が多いので下五は「にぎはへり」に。 小田一生 「やや寒や半袖姿我ひとり」ユーモアあります。 杉村酔月 「旅先で旬を味わうきのこ汁」俳句はリズムを楽しむもの。そこで「旅先に旬味わえり茸汁」としたい。 金子エム 「虫食いの痕も美わし秋の花」花好きのエム氏ならでは。 鈴木亜斗武 「詰将棋詰まらぬままの夜長かな」将棋好きの一生氏特選。そして俳句好きの鹿月氏特選。 |
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第200回気磨暮俳句会のご報告 <如水庵から> 講評 三田土龍 平成22年9月19日(日)蒲郡荘「大島B」 | ||
出席者(16名) 小田美希次 吉里ひとみ 三田土龍 小田一生 板倉迷酔 杉村酔月 本多雅女 磯部睦語呂 市川一気 尾池豊念 鈴木たかこ姫 牧原周途 平岩鹿月 田中まるこ 杉浦末川 岩月真之介 投句者(6名) 鈴木亜斗武 建長寺彩夏 林コスモス 平野涼風 どういう訳か二百回も続いてしまいました。今はただ心より嬉しく思っております。皆さん本当にありがとうございました。今回は いきなり講評を始めます。お許しを。 本多雅女 「月明り照らす路地裏ジャズ流る」本日の最高点句。めでたい。 平野涼風 「川風も馳走のひとつ川床料理」「一品」を「ひとつ」とした。 小田美希次 「暑気中り余生の一と日失へり」初めて先生のお宅を訪問して「俳句を教えて下さい」とお願いしたときから二十年が 経過しました。歳時記すら知らない小生に一から教えていただき、ありがとうございます。未だ未熟ではありますがすっかり俳句に はまってしまいました。 吉里ひとみ 「あかのまま童女と刻む伯母の墓」童女は戒名のこと。 三田土龍 「師を招き友ら集ひて秋惜しむ」格調高くなりました。 |
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