サモンナイト3(レックス先生とアリーゼ編)

…というワケで前作に続き、とてつもなく時間をかけてクリア。
それでも短くなってるんですよ。
総プレイ時間61時間3分。かかった日数は50日。
…あれ?かかった日数が前作と全く同じだ。
これには何か無色の陰謀が!?(ありません)

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1章 システムについて

シリーズの基本を踏襲してるので、大まかには前作までと変わったトコはないかな。

ADVパートでキャラとの会話及びフラグ立て⇔フリーバトルでのレベル上げなどをしつつボス戦→夜会話→次シナリオへ

…という基本的な流れは一切変わってない。でも他のポイントでは色々変わってきてるので、まずはその辺について。

1.バトルマップの変更

今回からマップが3Dになって、マップの拡大と縮小、及び回転ができるようになり、各段に見やすくなった。こういう斜め見下ろし型のマップで展開されるゲームではコレが一番重要。見やすいとやっぱりやりやすいからね。それとキャラが単純に大きくなったので、そのアクションなども見やすくなった。さらに召喚詠唱や特技発動にボイスが付いたのもポイント。当然、その分感情移入がしやすくなったワケで。

他にはマップに宝箱が配置され、そこからサモナイト石が入手できるようになった。今までのようにランダムで集めないで済むのでラク。欲しい色の時に開ければいいだけだから。ただ、召喚や一部の特殊能力では開けられないのが残念。

あと、今回からマップ上に障害物が多く配置された。召喚術の緩和効果のあるものだけでなく、爆発する木箱や樽など。だけど木箱や樽はともかく、単なる障害物と爆発物の区別が付きにくいモノがあるのはねぇ…。ちなみに、爆発物に隣接した敵を槍で貫通攻撃すると爽快。ソノラの乱れ打ちでもいいけど。

2.パーティー能力とブレイブクリア

パーティー能力はそのままパーティー全体に影響する能力。召喚コストを下げたり、クリティカル率を上げたりなど効果は様々。設定できる能力ごとに必要なパーティーポイントがあり、それはパーティー全体の総レベル+ブレイブクリア時に獲得できるボーナスポイントの総計内ならば4つまで自由に設定できる

パーティー能力の獲得には色々条件があり、その最たるものが「ブレイブクリア」。ブレイブクリアというのはイベント戦闘を設定された上限レベル以下で勝利することで達成できる。正確には回復アイテムは2つまでとかあるんだけど。基本的にはブレイブクリアの回数が取得条件になっているパーティー能力が多い。まぁ他にも誰それがクラス2にクラスチェンジするとかいう特殊な条件が必要なのもある。

パーティー能力は別になくても(=ブレイブクリアはしなくても)当然、ゲームの進行には影響はない。ただやっぱりあったほうが進行自体は有利になる。極力ブレイブクリアは目指すべき…か?

ところがそのブレイブクリア、その達成可能レベルが攻略本とか見ないと分からないのがちと不満。ブレイブクリアのかかる戦闘は最初に「FIGHT WITH BRAVE」と出るので、できるかどうかは分かるんだけど必要レベルが表には出てこないのです。あくまでもオマケ要素として捉えるか、達成すべき目標として捉えるかは自由なんだけど…それくらい分かるようにして欲しかったなぁ、と。

3.強制参加戦闘が多い

今回、キャラが強制的に参戦させられるイベントバトルが多い。参加したばかりのキャラならともかく、後半に二軍落ちしたメンバーを強制で使わないといけない場合がある。シナリオの演出上どうしてもこういった事態が起こるのは仕方ないのだが…。ただ、前作までに比べザコ戦とボス戦含めても、1回の戦闘での取得経験値が各段に増えてる。その分、全キャラクターを育成しやすくなってるとは思うけど。俺の場合でも、二軍落ちしてるメンバーでも1回はクラスチェンジしてるし。

それとブレイブクリアに絡んでなんだけど、フリーバトル専用にレベルを上げておいたキャラが強制で出されると、それでもうブレイブクリアが不可能になるのには注意が必要。何度かあったからねぇ。アリーゼがいるために二軍に落ちたヤード(フリーバトル用にレベルがレックスより上だった)を使わないといけない戦闘がどれだけあったことか(笑)

4.ユニット専用・協力召喚術

今回から一部の召喚術に適用されたシステム。専用や協力といった限定条件の元で発動できるために、効果はかなりいい。俺のクノンはアルディラ×クノンの神剣イクセリオンのためだけに一軍に入ったという説も(笑)。使い勝手がいいために、その術が使えるという理由だけで一軍に入ってもいいくらいの術が揃ってる。反面、そのためにパーティーの組み方が偏りやすいというデメリットも?

5.召喚エフェクトのカット

…これができるようになるとは思ってなかった。前作のレビューの時に書いたんだけど、サモンナイトというゲームのシナリオ上、「召喚術」というのは絶対外せない物だから、コレをカットするというのはいくら要望があっても無理だろうと。その分極力エフェクトを短くするという対応が限度だろうと考えてたから。正直、思いきったことをしたと思います(笑)。でもやっぱりコレは大きい。時間の簡略化ってのは特に社会人ユーザーにとっては重要だから。コンフィグで設定するんじゃなくて、発動時に×ボタンでカットするようになってるのが製作サイドから見てギリギリの譲歩なんだろうなぁ(笑)。極力見て欲しいんだろうね。

4.ユニット召喚獣の育成

前作はメインキャラと同様に経験値を振り分ける必要があったが、今回はレベルフード(レベルの上昇)とスキルフード(特殊技能の修得)を与える事で育成できるようになった。おかげで出番が急増。経験値制だとどうしてもメインしか使わなくなるし。ちなみにどれだけレベルを上げておいても、召喚するユニットと同レベルで召喚されます(盟友の絆があれば最大で+3)。取得したスキルは使えるけど。また、2周目以降にもそのステータスは引き継がれるため、ファーストプレイで鍛えておくと二回目からラク。何度もクリアすれば完全無欠のユニット召喚獣も育成できます。

5.キャラクターのレベルアップ

コレは全く今までと同じ。戦闘に出撃し、戦闘終了時に生き残ってれば、経験値を振り分けることによってレベルが上がります。当然、経験値のプールは可能だし、フリーバトルで撤退してもできるので、弱いキャラのレベル上げに一苦労…ということもない。

…ないんだけど、問題は別のところにある。その問題は連続戦闘。そのシナリオ内で連続戦闘があるかどうかは当然、プレイヤーは分からない。結局はこれもブレイブクリアに絡んでなんだけど、ブレイブクリアのために低レベルを保つのはいいんだが、そのために連続戦闘の2戦目で詰まる=どうしてもクリアできないという可能性が発生してしまう。1話の中に2度の戦闘というのは多々あるが、序盤はその間に自由行動を挟む。ところが後半はそのまま2戦目に突入というイベントが多い。そしてブレイブクリアのためにレベルアップを控えたために行き詰まってしまう。まぁ多数の戦闘離脱者を出してもいいのならば勝てることもあるんだが、その場合はそれでブレイブクリアはできないし、その上カルマ値が上昇する。当然、カルマルート(バッドエンド)に突入するワケで。

結局、獲得した経験値はどれだけでも貯め込むことができるんだから、レベルアップは戦闘終了後だけにしなくても、出撃画面を含むメニュー画面内ならいつでもできるようにして欲しかった。これはユニット召喚獣の育成についても同じ。このゲーム最大の穴と言えるかも。

6.夜会話

シリーズ恒例夜会話。今回から専用の立ちグラフィックが用意されたために、感情移入度が上がりました。これはいいと思うので、これについて言う事はありません。

7.音声

今回からは戦闘シーンにおいても音声が入りました。通常攻撃とクリティカル発生時、召喚時や特技発動時、それと戦闘終了時(トドメを刺したキャラ)など。まぁバリエーションはそんなにないんだけど、それでも効果はあったかなぁと。それにターン制でリアルタイムでもないのに長ったらしい詠唱音声まで入れると、カットできるとは言え召喚のエフェクト含めると一連の流れが長くなるし。

無論ADVパート時はフルボイス、今回から主人公名もデフォルトなら呼んでくれます。つまり主人公以外フルボイス。…これってかえって違和感が出るんだよねぇ。確かに夜会話が正面からの対話形式になったし、感情移入度を上げるためには音声ないのも一つの手だとは思うけど…。当然、戦闘時も主人公は喋らないし、戦闘終了時も音声がないので微妙に寂しい。よほど切羽詰まったイベント戦闘でない限り、主人公でトドメ刺した人ってあまりいないと思う。

8.抜剣覚醒

シナリオ上で主人公が手に入れる抜剣覚醒。これは使うとカルマ値が上がるので、事実上使用不可。それは取説にも書いてある。言いかえれば意味がない。ADVでありS・RPGでもあるこのゲームでのバッド行きというのは数十時間を水の泡にする。そんなコマンドに存在意義はあるのか?どうせコマンド発動と戦闘不能による自動発動があるなら、後者のみカルマ値上昇にすれば良かったのに。戦闘不能はカルマ値上昇の条件にもなってるんだから。

2章 音楽について

俺には音楽を語るセンスはないので大まかに。

今回も比較的安定していたとは思う。ただ前作に比べるとやや印象が残らないかなぁ。例えばザコ戦BGMだって前作は2種類あったけど、今回は1つだけ。ボス戦についても終盤までは1つしかないから。前作使いまわしがないほとんどない分、曲数自体は増えたかもしれないけど、それでも縮小された感があるような。

3章 キャラについて

今回もキャラデザは飯塚武史氏。この人の絵が嫌いって人はなかなかいないと思います。

キャラの立て方も、それぞれにアクを出しつつ、そのキャラの悪い部分もきちんとシナリオに組み込んであるのはさすがだなぁと。まぁアルディラさんのことなんですが(笑)。この辺りはレックスとアティ、各生徒や護人のパターンも見ておかないと何とも言えないので割愛させていただきます。

4章 シナリオについて

当然、シナリオは都月狩氏。

…えっと、今回も悲劇ですね。この人のシナリオは必ず悲劇に傾くので、それが嫌いな人にはちょっと抵抗があるかも。…うーん、悲劇って言うと語弊があるかなぁ。つまり、シナリオの全体が大団円を迎えたとしても、その中で必ず悲劇を迎えるキャラがいる。1のバノッサなんかもそうで、このシリーズにはそういった傾向があったんだが、今回はとりわけ目立つ。というのも、主人公と帝国軍と無色の派閥の利害関係はどうしても一致しないから。まぁそれが今回のテーマだと言えるんだが。それゆえに途中で破綻しかけてるような気にもなったけど、とりあえず良い形にはまとまってたかなぁと。ただ、やや未整理のまま完結させちゃった部分もあったけど。

オルドレイク率いる無色の派閥

結局、無色の開祖から始まった島の因縁を巡りオルドレイクが絡んできたワケだが、このオルドレイクが曲者だったように思う。というのも、1で死んでるからね、この人は。だからこの3ではどうしてもそういう展開には持っていけない。それでもこのキャラがそう簡単に引くような人物でもない事を途中(1から含めても)で描いてしまっていたのが、最終的に尻すぼみになってしまった原因のような。シナリオで死ぬ事もなく、この一件から引くような展開を作らないといけないハズだったんだが、それがないままに終わってしまった。

最後はイスラにトドメを刺したトコロで彼らの出番が終わってしまったのだが、これはオルドレイクにしてみれば島を手に入れる過程で起きたアクシデントなだけ。本当の目的はあくまでも島を手に入れることだったハズなのに。どうしてこの後に何もしないまま島を後にしたのだろう?確かに手に負えない状態になってしまったというのもあるだろうが、シナリオは全くそれに触れなかった。オルドレイクという男の性格から考えれば、そう簡単に諦めるような人間じゃない。だからそこは描いておくべきだったと思うんだが…。この辺りがシナリオ上最大の不可視部分。俺としてはツェリーヌがバノッサの母に当たる人物かそうでないのか(違うんだろうけどね)まで描いて欲しかったんだけどなぁ。

今回、物語の時間軸としては2の十年前くらい?時間の流れとしては3→1→2ということになる。この流れは番外編で物の見事に繋げてあります。2の時もそうだったけど、この展開の仕方は上手すぎる。ファンに堪らない作り方ですよ、ホントに。特にヘイゼル絡み。

5章 おまけについて

ミニゲームについて

今回もミニゲームは豊富。ただ運命の輪と気まぐれプライズゲッターは運絡みの要素が大きく、やや邪魔ったい感じがした。運命の輪はある程度狙えるけど。イモ畑、ダンス、蓮ジャンプはミニゲーム感に溢れててなかなか良かった。シリーズ皆勤の釣りはちょっと方式が変わった。ミニゲームで獲得できるアイテムは、その時点ではショップで買うものよりもいい品である場合が多く、ブレイブクリアに向けても足しになる。

ギャラリーについて

今回もギャラリーがあります。設定画、アニメ素材など色々。世界観設定はゲームの補足説明にもなってるので、シリーズ初の人もこれで多少は世界観が掴めるんじゃないかなぁと。ただ、主人公や生徒の設定画はそのキャラを選ばないと入手できないので、複数回プレイをしないとコンプリートはできません。ちなみに、一回クリアすると、ギャラリーにサウンドモードが追加されます。

複数回プレイに対する配慮

これも前回のレビューで書いたけど、こういうマルチEDのゲームには複数回に対する配慮というのが絶対必要だと思う。今回はクリアすると取得経験値とお金が増えていく「勇者の伝記」と「お金儲けの秘訣」というパーティー能力が取得できる。1回クリアすると+20%、以下クリアするごとに20%ずつ増加し、最終的に2倍。最終的に2倍になるなら、最初から2倍にしてくれればいいのに…と思うのは間違いですか?(笑)ちなみに、ユニット召喚獣が引き継げるので、序盤から中盤にかけてはかなり有利になります。パーティー能力も引き継げるので、盟友の絆を合わせるとなお良い。ただパーティーポイントは集めなおしです。

6章 番外編ルートについて

というワケで恒例オマケルート。今回はEDの条件がないので、比較的簡単に…というワケでなかったようだ。その条件はヘイゼルを全て撃破することとカルマ値が一定値以下、最終的にヘイゼルの本当の名前が分かればいいということなんだけど。ヘイゼルはイベント戦闘に顔を出すけど、勝利条件に入ってない場合があり、さらにブレイブクリアを目指していると無視してしまうこともある。よって番外ルートに入れないという事態も起こりうる。まぁヘイゼルと戦うのは後半だし、データが残ってれば最初からやり直し…という確率も前回に比べれば低いか?

番外編は2のキャラが中心。それと本編で選んだ生徒(クリアデータにより変化)が登場。2のキャラはマグナまたはトリス、選択した護衛獣、ネスティ、アメル、フォルテ、ケイナ、ロッカ、リューグ、モーリン、ミニス、ケルマ、パッフェル。特に、2で仲間にならなかったケルマを自軍ユニットで使えるのはファンには堪らないかも。シルヴァーナなど専用召喚獣がいたりもする。ユエルが出てこないのが欠点か?(笑)

ていうか、きちんと作りなおしてあるのが凄いと思う。立ち絵だけは使いまわしだけど音声も付いてるし、戦闘キャラは新しく描き起こしてある。選択した主人公と護衛獣、それと成長した生徒。全パターン作ってあるし。これ書いてる時点ではまだクリアしてないんでなんとも言えないけど、凄いということだけは分かります。はい。クラスチェンジまでするとは…。

ただフリーバトルエリアが無限界廊だけというのがどうにも。さすがにイベントバトルだけでは多少つらい。本編で攻略してればしてるほど選べるエリアが増えるのでやりやすくはなるけど。

7章 まとめ

やっぱり、完成度は高いと思う。マップ切り替えや移動方向の切り替え、召喚エフェクトカットなど、前作での不満はほぼ解消されたと言えるかも。これで移動速度さえもう少し早ければ良かったと思う。シナリオも話数こそ減ったけど内容は増えてるし。ただブレイブクリアが諸刃の剣だったかなぁと。俺の場合、これが途中うでやや食傷気味になったのも事実なんで。

あと、今回は一つの島が舞台なので、それがやや閉塞感を出してたかも。1では北部インダリオス、2は中央エルバレスタという陸地だった分、広い世界を感じる事ができたけど、今回はそれがなかった。まぁ2の時にわざわざ聖王都から遠いスルゼン砦までフリーバトルやりに行くことに対して違和感はあったんだけど(笑)

最後に次回作の展望。…と言っても、もうレベルアップできる場所だけかな。メニュー画面ならいつでもできるようにしてください。それと主人公音声。戦闘に声入れたなら、やっぱり主人公も声いるよ。主人公だけないのはかえって変だと思う。


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