05月31日 その4

世の中には嘘が充ち満ちている。プリウスは渋滞が無ければ燃費が向上しない(スイスイと高速で走ればむしろ燃費が悪い)から当然に頭の良い欧州人には売れない。百メートルごとに信号で止まり、ガソリンが異様に高く、補助金が出る日本だからお得感がある車なのだ。もしエコを考えるなら、それは車には乗らないことが最もよい。

05月31日 その3

窓の外をアゲハチョウが飛んでいる。もうそんな季節になったのだなーと思う。毎年毎年季節が巡るのは当たり前だが、私にとっては当たり前では無い可能性もある。ならばこそ、ベットの上からではあるが、今をしみじみと楽しむ、そんなこともくだらないこどだとは思えない。考えようによっては幸せな身分だ。まあ私もそう長くは無いのだろうから、せいぜい今を楽しませてもらおう。

05月31日 その2

女房殿は茶会に出かけた。私が患う前は四六時中出ていたが、今は随分と私のために時間を割いてくれる。ありがたいことだ。何しこんな病気は初めてだから、今後の推移が分からない。家ならばまだしも、出かけた先で異常事態に陥ればかなり辛い状況になる。だから半寝たきり状態の重病人としてありがたく支援を受けて日々の生活を送っている。これを申し訳ないと思えばやるせないが、天下の重病人様の当然の権利だと思えば何と言うことは無い。心配をするのも遠慮をするのも多分それなりに楽しいのだろうが、それが事態を悪化させるなら迷惑な話だ。ただでさえ迷惑な私だから、さらに迷惑を大きくしないように自分なりに注意をしているつもりだ。

05月31日

義歯ができたが今朝のOGビーフは堅くてとても食べられなかった。本物の歯では無いからやはり限界があるのはしょうが無い。私には楽しみにしていることがある。歯が入ったら『仔馬』のハンバーグを食べることだ。そんなに堅くは無いと思うが、でもやはり、半分飲み込むのでは十分に味わうことができない。美味しいものをいただくにはこちらも十分に体制を整えた方が楽しい。だから歯が入るまで待っていたのだ。女房殿が忙しいからすぐには行けないが、そのうちには行きたいと思っている。多分、今でも仔馬までの運転は可能だろうが、何があるか分からないから一人での行動はしたくない。私は用心深いと言うよりもむしろビビりなのだ。

05月30日 その2

義姉は心理カウンセラーだが実母の介護でウツになってしまい母親を施設に入れたという話を聞いた。医学などはせいぜいそんな程度で、特に精神に関する所謂常識にまともなものなどは一つも無いと私は思っている。人は甘やかせばどんどんと堕落する。金を与えれば散財をして自ら不幸に突き進む。現実逃避には酒やパチンコが手軽だし、残念ながら人はそんな程度の生き物だ。憲法で最低の生活が保障されているとかで生活保護が行われているが、その金が当人の『健康で文化的な生活』に寄与しているとはとても思えない。現実は税金でパチンコ屋やヤクザや不正を常態としているけしからん医者の私腹を肥やしているだけだろう。そんな施策の不幸な点はそれが本人をさらに追い込んでいるという現実だ。結局は自分で自分の追い込み無差別殺人に走る引きこもりはその良い例だろう。崖っぷちに立つ人に優しく手をさしのべたら失敗して突き落としてしまったと言ったところだが、それがごめんなさいで済むと思っている人が多いのだから始末が悪い。本当に人を救うには、多分、相当の覚悟がいるのだろうと私は思う。弱虫の私などには人を救うことなどはとてもできない。

05月30日

今朝はマグロの漬けドンをいただいた。前歯は今は役に立たないが何とか奥歯は使えるので、かみ切る必要の無い食べ物はありがたい。基本的にはそのまま食べることを良しとしている私だが、最近では漬けにしたり、炙りにしたりしたものの方を好むように変化している。若い頃は食べなかった鶏肉も最近は食べたくなるし、好みのごときは時と共に変わるのだろう。全く食べられなかった納豆も今は好きだし、あまり好きではなかった肉類も今では好物だ。「健康のために○○を食べよう」などと言われるが、末期癌のこの身には健康も長生きもクソもない。食べたいものを食べれば良いのだろうと居直っている。

05月29日 その3

女房殿が半休を取ってくれて病院に行ってきた。今日は空いていて30分も早く診察を受けられた。血液の数値的にも悪くは無いらしい。上々の結果だ。普通の人は当たり前の血液検査結果が嬉しいのだから人間なんて実にいい加減なものだ。いや、そもそも『幸せ』などというものが単なる誤解の産物であることがよく分かる。

05月29日 その2

口之永良部島で噴火が始まった。どうも今年は噴火の当たり年らしい。『避難指示』ということだからかなり本気の噴火だ。活火山と共に暮らす限り噴火が起こることは覚悟の上だろうが、島民の皆さんにとっては難儀なことだ。小笠原の西の島も噴火が続いているようだが日本中でマグマの勢いが増しているのかも知れない。こんな時には空母日向が駆けつけると良いと思うが船は速度が遅いから緊急事態には対処できない。超高速船といった物の開発もこういった災害を機会に気運が高まれば良い。

05月29日

今日は5時前にふと起きられたので朝飯を食べ、食べたらまた寝てしまったので女房殿を送ることはできなかった。私が寝てしまったときには女房殿はあえて起こさずに歩いて出勤してくれる。申し訳ないことだった。朝はご飯にコウナゴと山芋をかけていただいた。まだ歯が入っていないから十分に噛めないが、山芋ならつるっと食べることができてありがたい。今、暇な時間は旅行の計画を立てている。女房殿と姪と姉の日帰り小旅行だ。私は行けないだろうが、計画を立てていると旅をしたように楽しい気分を味わうことはできる。今のところ、渥美でメロンと卵を買い、豊橋の『きく宗』で菜飯を食べて帰るという行程になっている。最近は道の駅なども充実しているから乳飲み子を抱えていても行動しやすい。昔、山に登っているときには、目的は頂上のみで、行程を楽しむという事は一切無かった。でもこの歳になって、旅というものはひょっとしたらその行程こそが楽しいのかもしれないと思い直している。人生も同じようなものかも知れない。

05月28日 その3

月曜日から抗がん剤の服用を初めて、昨日と一昨日はやたらと眠くてよく寝た。これも副作用かも知れないが、眠くなるのが副作用ならば大した弊害は無い。今日はそれほど眠くは無くて、女房殿のお迎えにも行けそうだ。医学では生命に関することはほとんど分かっていない。従って、薬も人によって作用が異なるが、それを予測することや防止することはできない。医者は勇気を持って処方するのだろうし、患者はそれに甘んじる以外にはなすすべが無い。

05月28日 その2

家で対応しただけだが、今日は車を車検に出し、人工肛門を注文することもできた。末期癌にしては上出来だ。直腸癌では肛門が使えないらしく、腹に穴を開けてそこから便を処理する。そのための道具が人工肛門で専門用語ではストーマという。腹に張り付く袋みたいな物で、便はそこにたまる。肛門から出せば世話は無いが、考えようによっては、好きなときにトイレで処理をすれば良いという利点もある。その結果、身体障害者4級のお墨付きもいただいたので、ストーマの購入代金は1割負担になる。仕方が無いのだから良いも悪いも無いが、収入が無い身障者に負担を強いるのはどんなものか。女房殿の援助が無ければとても生活できない。

05月28日

今日も暑くなるらしい。天気のことだからしょうが無いが、百姓は大変だろう。野菜も値上がりしているらしいが、これはよく報道されているほどに大変なことでは無いと思う。いやむしろ、キャベツが100円で買える方が異常では無かろうか。見た目で言ってはいけないかも知れないが、キャベツはどう見ても300円程度に値する風格がある。しかも一つ買えば一週間ほどは食べていられる。そんな食材に300円を出しても決して異様に高いということはないように思うが如何か。食費は、一食300円なら三食で900円、30日で27000円だ。アパートの賃料が50000円なら77000円+αで一ヶ月暮らすことができる。最低賃金でフルに働けば120000円程度、生活保護では100000円程度もらえるようだからいずれにしろ生きていくことはできる。キャベツの50円の値上がりに大騒ぎをするこせに300円のスイーツをありがたがるのはどこかバランスが悪いような気がするが如何か。

05月27日 その2

女房殿は、本来ならぼちぼち帰ってくる頃だが、今日はJR高島屋の『大九州展』によってくるらしいから少し遅くなる。名物という物は本来はそこへ行っていただくのが正しいが、このような身体になってみると居ながらにして味わうことができるのはありがたい。通勤は楽では無いだろうが、名古屋に通っているからこそそんな催事によることもできる。例えば私が元気であったとしても、そのために名古屋に行こうとは思わないだろう。そもそも電車で行くにしても2000円近くの交通費がかかるから弁当はかなり高い物になってしまう。それだけ出せば相当に高い肉を買えるだろうから、それを家で焼けばかなり美味しいだろう。怠惰な貧乏人はそんな夢の無いことを考えてしまう。

05月27日

今日も凄く暑い。今の私にはスパーや図書館を利用するという選択肢は無く、クーラーを利用してしのぐしか無い。しかし、クーラーをかけていても部屋は30℃あって十分に暑いが、これくらいは耐えなくてはなるまい。元気な頃はあえて炎天下で草むしりをて凌いだが、今そんなことをすれば命が危ない。あえて生きながらえたいわけでは無いが、この状況で死に急げばそれこそ逃げになってしまう。どんなに辛くても今の状況から逃げてはいけないことは十分に承知しているつもりだ。

05月26日 その2

この時期にマイナンバーカードなるものが送られてくるらしい。住基ネットが失敗したように、自民党がやろうとすれば失敗したのだろうが、左巻きの民主党がやったから何気なく成立してしまった。誠に良いことだと思うし、将来的には預金とリンクさせて、貧乏のふりをして補助金をたかるけしからん百姓から本来の税金を取ってやれば良いと思う。

05月26日

朝女房殿がグリーンピースご飯を炊いてくれたので、お昼はそれにカレーをかけていただいた。味の薄い炊き込みご飯なら何でもカーレーに合うと思うが、豆ご飯は特に向いていると思う。カレーには少し野菜をトッピングしたくなるが、炊き込みご飯ならその手間が省ける。やったことは無いが、赤飯でも食べることができると思う。

05月25日 その2

電車が遅れて女房殿も少し遅れて帰ってきた。幸田駅までのお迎えは私の仕事だ。昔は師勝の会社まで迎えに行ったこともあったが、今の私にはそんなエネルギーは無い。電車は年に何回か遅れることがあるが、その際にフォローができないのは心苦しいが仕方が無い。どんな状況であれ受け入れなくてはならないのがこの世の宿命だ。自分の力でジタバタしたがるのが私の悪い癖で、それを悟るために今の境遇が与えられたのかも知れない。

05月25日

少し早い時間にミネストローネをいただいたが、また腹が減ったのでハンバーグをいただいた。ほぼ寝ているだけなのになぜだか腹は減る。入院する前よりもむしろ沢山食べているかも知れない。食べることが良いことならば、入院によって私の健康状態は確実に改善しているのだろう。

05月24日 その3

早い時間に晩ご飯をいただいたので腹が減った。不思議なもので寝ているだけでも腹が減る。そこで今日は茹でたジャガイモをいただくことにする。ジャガイモはバランス栄養食であるし、ただ茹でた物や潰しただけの物はそれだけで食べても十分に美味しい。ご飯は確かに美味しいけれど、私は芋が主食でも十分にやっていける自信がある。

05月24日 その2

腹に肛門を作るために全身麻酔をしたので歯がボロボロになった。知らなかったが、麻酔をすると口に入れた管をかじるので歯がボロボロのなるらしい。そのために物を噛むことができない(堅い物は食べられない)のが残念だが、今歯医者に通っているので、早晩入れ歯ができあがるはずだ。歯が入ったら『仔馬』のハンバーグを食べに行こうと楽しみにしている。兎も角も、今の私は、体力が無いのがいけないらしく、体力増進のために美味しいものを沢山食べるのは良いことらしい。

05月24日

退院してコンピュータも使えるようになった。病状的にはめでたいのかサジを投げられたのかは分からないが、不味い病院食を食わなくて良いのはありがたい。病名は直腸癌らしいが、摘出手術をせずに抗がん剤で様子を見るというのが現状の状況だ。処方された抗がん剤は『ゼローダ』という癌の細胞分裂を抑制する薬らしい。保険適用になる薬だが、自己負担が10,000円もするから相当に高価なものだ。二日ほど飲んだが、ありがたいことに今のところ副作用は無い。それで明日死ぬのか数年生きるのかは分からないが、そんなことは私にはどうでも良いことだ。