設 立 宣 言

 新しい年の始まり、小さく雪花の舞う日。
 樹齢1200年の貞観杉に守られてきた豊田旭地区、杉元の里。
 世界経済が大危機の時、「豊かさ」の意味が変わろうとしている時代。
『森の応援団』を広げるための新たな挑戦が、またひとつ始まった。

 とよた森林学校、第3回「間伐ボランティア初級講座」の同期生12名が集合した。参加できなかった8名全員からのメッセージも届いた。 この3ヶ月間、手ほどき頂いた先輩2人が立ち合ってくださった。
 久しぶりに近況を、会の名称の考案理由を、これから出会う人々へのメッセージを、期待を、願いを、心構えを・・・・・。それぞれが、それぞれの言葉で語った。

   私たちの会――『とよた旭高原山楽会/あさひこうげんさんらくかい』

森林学校が開催され、私たちがスタートをきった――旭高原。
最初の活動拠点が提供された――旭高原。
   私たちの会では、森林学校で学んだことを、現場で繰り返しきちんと実践し、しっかりした理論と技能を身につける。
 山主さんと話し合い、手遅れ人工林を林業経営林や針広混交林に換えるための施業方針を提案し、安全第一を厳守して間伐作業を行う。

 私たちの会では、自然のなかで自然と共に生きてきた農山村の人々や先輩たちに学び、習う。
 人が生存していくうえで必要不可欠な森を守りつづけてきてくれた人々への敬意と感謝を忘れずに取り組む。 
 水源の山から川、そして海への水の循環――大自然の循環のなかに、「森林ボランティア」としての私たちの活動を、未だ小さいけれどしっかりと位置づける。
 未来のために、森を守り、森を育てる。その悠久の流れに合流する。

 私たちの会では、老若男女が世代を超えて、仲間として触れ合い、学び合う。
異なった人生の異なった経験から得た知恵と知識を出し合い、お互いを高め合う。

間伐材を活かす工夫も、活動資金も、みんなで考えれば何とかなることを知っている。
 健康な森にするのだから、私たち自身が健康で必要な体力を堅持するよう心がけよう。
森に入って健康になるのだ。

私たちの会は、この会に参加してくる人々を歓迎する。
 いつまででも待ち続ける。
 私たちが相手にする杉や檜の寿命は数百年以上もあるし、森の一生は800年と言われている。 それに比べれば、5年10年などほんの一瞬といってもいいのだ。

私たちの会は、都市の人々に伝達する。
私たちの会は、未来に向かって発信する。
 青年や子どもたちを引き寄せる活動を追求する。
 ここに来れば元気になれる場所を、いつも提供しよう。

後に続いてくれる人々に、未だ見ぬ仲間たちに、元気を与えられる存在に、 私たちは成ろう。

そして、何よりも、私たちの誰もが、楽しくなければならない。

    2009年1月10日   
           とよた旭高原山楽会


 この文書は、結成会での全参加者の発言を基に、その夜の合宿懇談会の話し合いを経て世話人会 によって書かれ、全員の合意を得て記録される。

 この文書は、矢作川水系森林ボランティア協議会から、2004年1月18日に発せられた「森林ボランティア宣言」と併せて保存される。それこそは私たちの会の原点であり、この国の森を守り続けてきた全ての人々の切実な願いであると思うからだ。


矢作川水系森林ボランティア協議会「森林ボランティア宣言」を読む

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