悠久シリーズ総括
コンシューマーでは一番ハマッたこのシリーズ。
悠久組曲で一応の区切りらしいんでここらで総括してみようと思ったわけです。
ちなみにPS版での総括です。
とりあえずココで扱うのは以下の作品。


1.エターナルメロディ
2.悠久幻想曲
3.悠久幻想曲2nd Album
4.悠久幻想曲3 Perpetual Blue
5.デバイスレイン
これ以外の作品(悠久アンサンブル1,2、悠久組曲)はファンディスクなので評価の対象外。


エターナルメロディ
悠久シリーズの実質的スタートとなった記念すべき第1作目。実質的っていうのはこれが悠久とは別のゲームだっていう理由と、ウィザーズハーモニーがあるだろ、ってツッコミを避けるため(笑)

シナリオ
ある日、工事現場の鉄骨墜落事故にまき込まれた主人公は何故か剣と魔法が存在する異世界へワープしてしまう。で、元の世界に戻るため、願いを叶えてくれる5つの魔宝を集めることに。それに協力してくれる仲間との旅の行程での恋愛を描く。

ダダ甘恋愛のシナリオなんで最初はあまり買う気はなかったんだけどね。RPG要素に惹かれて買ったら大当たり。俺的にはシリーズ中1,2を争うほどのお気に入りになっている。最後は別れなくちゃならない、ってのがたまらなく切なくていいです。最終目的地の“イルム・ザーンまであと9日”って出た時はマジでちょっと泣きそうだったもん(バカ)。またOPがいい。ムービーでもなんでもないんだけど、歌と絵だけでゲームの雰囲気が完全に表現されている。キャラの育成はキャラ毎の得意分野があるのでそれを伸ばすのがセオリーだが、あえて魔法使い系のキャラを戦士系にすることもできるので自由度も高い(シナリオ進行が不利になるけどね)。エンディングはメインキャラ9人に加え、カイル、レミット、アイリスらライバルキャラも対象。エンディングは主人公が帰るパターン帰れない(帰“ら”ない、ではない)パターンの2種類。シナリオの成功状態によって変化する。帰るパターンではED対象キャラが後を追ってこっちの世界にやってくる。帰らないパターンではED対象キャラとそっちの世界で生活するというもの。どちらにしてもグッドエンドになる。さすがにカイルに後を追ってこられた日にゃ引いたが(笑)

とまあ、ここまではベタ褒めだけど悪い部分もかなり目立つ。一般的にはまず、全体的なシナリオ数の少なさ。それとスゴロクバトル(戦闘含む)におけるテンポの悪さ、及び戦闘のバランス。それにライバルは?マスの1回休みに引っ掛からない(かなり不利になる)こととHP,MPはうまく回復マスに止まらないとできない点。育成においてはやたらとステータス異常(喧嘩、自信過剰状態。自信喪失は見たことない)になる。ってあたりかなぁ?けど俺的には戦闘のテンポ以外は苦にならない。イベントの少なさは突発・お出かけイベントの発生条件がシビアで気付きにくいからだし、戦闘バランスはこれくらいの方が緊張感があっていい。欲を言えば逃げるコマンドがあればよかったってくらい。ステータス異常はならないように育成していくのが楽しいんだから。アルザあたりは攻撃力犠牲にしておしゃれコマンド実行して「エーテル・マキシマム」覚えたら無敵だよ?苦手な事やらせるわけだから自信過剰にもならないし。一番の問題はラスボスに勝てないとグッドEDに行けないってことか。でも普通にやれば倒せるでしょ。スゴロクで先行したライバルに倒される(そればかりは仕方ない)以外は。そんなこんなでエタメロはシリーズ中かなりのお気に入り。


悠久幻想曲
悠久シリーズ第1作目。エタメロのシステムを継承しつつ、新たな要素を追加。メインテーマを恋愛から友情へと方向転換した。

シナリオ
舞台はエンフィールド。主人公は行き倒れになっていたところをジョートショップという何でも屋の店長・アリサに助けられ、以後そこに住み込みで働くようになっていた。そんなある日、主人公は身に覚えのない美術品窃盗疑惑をかけられ自警団に捕まってしまう。その場はアリサが店を担保にして借りてくれた10万ゴールドの保釈金で難を逃れる。主人公は店を守るため友人達とともにジョートショップの仕事を通して住民の支持を集め、1年後に行われる再審請求裁判で身の潔白を証明しようとする。

買った理由は前作のエタメロが良かったから。で、やってみてかなり気に入った。前作で不満だった点はかなり解消されていた。メインキャラに男キャラが加わったのが大きい。総シナリオ数は格段に増加したし、テンポもかなり早くなった。メッセージ早送りができるようになったのも見逃せない。また、舞台を旅から街での生活にしたことで全キャストを違和感なく登場させることができるようになったので、シナリオにより厚みを持たせることに成功した。育成では魔法の習得のほかに特技も習得できるようになり、バトルに反映できるようになったし、キャラ毎に習得できる魔法と特技が違う。スゴロクバトルでは移動中に回復魔法が使えるようになったり、攻撃魔法で相手にダメージを与えた上で戦闘をしかける事ができるようになった。また1回休みを任意で行ってパーティの回復ができる。魔法の種類も新たに相手を弱体化する障害系が増えた。

って言うと凄い気がするんだけどね。実際はそんなことないの。特にバトルにおいては。だってライバルパーティが弱すぎるもん。最初はちょうどいいんだけどね。中盤になるとライバルパーティはリーダー(アルベルト、ハメット)以外が成長しない分、相手にならなくなる。しかもこっちは4人。相手は3人。その上、特技「ファイナルストライク」使えば一撃だし。その特技はノーリスク(回数はスキルレベル÷2回)なんでガンガン使えるし。ライバルは魔法合戦で勝手に潰し合うし。ルーレットはエタメロに比べ簡単に目押しができる(確実に6が出せる)から特技「韋駄天」はいらないし。つーか、ラスボスのシャドウ(弱い方、HP555)に2000当たるってのはどゆこと?(笑)ステータス異常も滅多に起きないし。休日に2回行動できるんだからエタメロ並に起きても良いと思う。つーわけでキャラ育成はつまんないです。が、それを補って余りあるシナリオの秀逸さ。結構感動しますな。メイン、キャラ別共に。ただ友情をテーマにしたってワリには結構恋愛系イベントが多いような…。それにキャラ別イベントよりトラブルイベントのほうが友情ってテーマを感じたのは気のせい?まあ、その辺は好きだから構わないけどね。総合的に見ればかなり良かった。


悠久幻想曲2nd Album
悠久シリーズ第2弾。前作でサブキャラだったアルベルト、トリーシャ、ローラ、イヴ、由羅がメインキャラに昇格し、さらに5人の新キャラを追加。

シナリオ
舞台は同じくエンフィールド。主人公は街の住人の苦情処理にあたる自警団第三部隊に所属している。が、部隊長の死、苦情処理の有料化、公安維持局の台頭といったマイナス要素が重なり、部隊解散の危機に直面する。主人公は第三部隊存続の為、友人達を臨時隊員に雇い、1年後の編成会議までに住人の支持を集めることになった。

悠久シリーズのなかで最も問題の作品がこれ。そこから良いトコ探すのはかなりムズいです。唯一言えるのが戦闘システムの洗練か?ライバルキャラが強くなったので手応えがある。そして特技の使用にMPが必要になったので乱発ができなくなった。育成キャラもスキルレベルだけでなく、身体能力のパラメータが追加され、うまく育成しないと敵に勝てないようになった。この成長システムはかなり気に入っている。

そこはいいんだけどね。結局育成の意味がないんだよなぁ。だってスゴロクバトルは全て任意だもん。やらなくてもクリアできるし。メインイベントにも戦闘がない(例外アリ)し。で、編成会議で部隊が存続しようがしまいが、メインイベントの結果で主人公が自警団退団になろうが、キャラのED条件を満たせば必ずグッドEDになる。メインイベントのフラグ立てはインチキっつってもいいくらい複雑過ぎ(俺は攻略本見ても分からなかった)だし。これならただのAVGで良かったじゃん。つーか、キャラ別イベントに失敗がないのが謎。どう考えてもおかしい。だから前作からたった半年程度での発売は危険が懸念されてたのに…。あまりにもシナリオがおざなり過ぎ。それに前作キャラはサブキャラで登場するが、CVがなくなったことで変な違和感ができたし、前作主人公は出てこない(扱いがいい加減過ぎ)。俺はスゴロクで主人公ら自警団パーティと前主人公らジョートショップメンバーとの対決を期待してたのに…。悠久(エタメロ含む)のテーマってある1つの目標に向かって協力する過程で育まれる仲間との友情だったハズ。それなのに一番大事なトコが綺麗さっぱり欠落している。故にシリーズ一番の駄作になってしまったわけなんですなぁ。


悠久幻想曲3 Perpetual Blue
舞台をエンフィールドから港湾都市シープクレストに移し、スタッフ共々新しい出直しを図った?(笑)悠久を語っているが、今までとは一線を画す作品。

シナリオ
舞台港湾都市シープクレスト。主人公のルシード・アトレーは保安学校を卒業し、凶悪犯罪を担当する第一捜査室への配属を希望するが、今は廃れてしまった魔法適性を見出され、第4捜査室、通称ブルーフェザーへと配属される。魔法が廃れてしまっている以上、ココは最もヒマでお荷物的なチームである。ルシードは転属願いを出すが、受理されるまでココでリーダーとして生活することになった。

シナリオはかなりいいです。特にメインシナリオ5Aはむちゃくちゃ友情というテーマが伝わってきます。スゴロクバトルこそなくなったものの、戦闘は健在。敵もかなり強めに設定されていて難易度は高い。個人的にはポリゴン嫌いなんだけどね。3Dになって戦闘の迫力は増した。全体的にかなりいいです。

が、やっぱあるんです。根本的な欠陥が。それは1日がリアルタイムになったことでクリアに時間がかかり過ぎること。それによってキャラとより深い会話ができるって言ったって所詮限られた選択肢から選んでいくだけだし。40時間はさすがに疲れます。マルチシナリオ、マルチエンディングなのにそんな時間かかるのはどうか?誰か全エンディング見た人はいるのか?そんな人はお米券、進呈です(爆)。しかもその間、戦闘はたった15,6回程度。育成する時間に比べ戦闘の時間が短すぎる。キャラはまともに訓練してくれない(サボるか、やりすぎるかの両極端)んで、戦闘ではルシードが死んだらまずアウトです。しかも戦闘はイベント直前の状態で突入するので、HP、MPがない状態で戦わざるを得ないことも…。それにラスボスが異常に強い。デモリション(ステータス解除+最大HPの10分の1のダメージを与える魔法)なしでは勝てないでしょ。ルシード以外育ってない可能性大だしね。ラスボス勝てないとグッドED行けない(よく知らないけどサブキャラなら行ける?)のに。まあ、シナリオだけなら全作品中トップクラスだと思う。けど、ココらがこのシリーズの限界でしょう。それをスタッフは悟ってたんでしょうかねぇ?


デバイスレイン
別に悠久とは関係ないんだけどね。スタッフが同じってだけで。でも俺的にかなりのお気に入りなんで書いとこうと思ったんです。ジャンルはSRPG+AVG。

シナリオ
舞台は現代の東京。主人公の雲野十夜はある事件をきっかけに次世代兵器オーギュメントをめぐり、多国籍企業ダイスと、それに連なる人間達との非日常的な戦いへと巻き込まれる。

発売は悠久2と悠久3の間。骨休み的な作品かと思いきや、根底に流れるのはやはり仲間との友情。恋愛っぽい話はあるけど、そういうEDはない。結構硬派(笑)。シナリオはかなりいいです。ダイスの内部抗争とか。自分達だけでなく、相手方にもいろいろ事情があり、敵が一方的な悪でないあたりは「悪は悪」と決め付ける現代思想を風刺してる?(爆)科学(オーギュメント)や歴史(オーパス)の話が折り込んであってそういうのが大好きな俺は大喜び(バカ)。

で、肝心なシステム回りだけどねぇ、これは問題だらけ。まず、オーパスの組み合わせでコマンドが変わる(FF7のマテリアを複雑化したカンジ)システムだけど、よく分からん。全ゲーム時間の30%、もしかしたら40%はそれに費やすことになる(攻略本があれば別)。とにかく方式が分からない。取説にもう少し書いてあればねぇ。次に戦闘。はっきり言ってショボい。キャラとかエフェクトとか。戦闘はリアルタイムで進み、すばやいキャラから早く動ける。技にもバインディングタイムが設定されていて、それが大きい=使い勝手がいい技ほど次ターンへの拘束時間が長い。これはいいシステムだけど、実際ほとんど変わらない。もったいない。味方キャラは最終的に10人だけど、シナリオごとの固定なので愛着あるキャラが使えない事が多い。せっかくLVあげても以後使えなかったりする。で、敵のレベルはフリーバトルエリアごとでなく、自分達の平均レベルに対応して上がって行く為(ボス戦以外)、レベルが上がれば上がるほど苦労する。よって、少数(2,3人)の強いキャラだけで進んだほうがラク。…うおぅ、ホントにお気に入りなのか分からなくなってきた(爆)。あれですよ。2に期待ってことですよ(あるのか?)。シナリオはかなり良い。クドいようだが。


まとめ
エタメロ2を作ってから完結にして欲しかった(爆)

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