少女義経伝 レビュー

“遥かなる時を越え、少年は少女に出会う”

GBA版ファンタジア、シンフォニアに続く初冬のゲームレビュー攻勢第3弾。
今季、一番の大穴作品。
「評判が良かった」から買うってのは俺にはなかなかないから。
日本史スキーとして、ひいきめに語ってみます。


序章 少女義経伝を買うきっかけ〜遥かなる時を越え、少年は少女に出会う〜

やっぱり電撃プレイステーション?しかも広告とか紹介記事とかじゃなく、攻略記事がきっかけだったような気がする。発売後に作品の存在に気付いたくらいだから(笑)。二重影のレビューの時にも書いたと思うけど、自分自身かなりの日本史好き。学生時代も日本史の成績だけは自信があったし、大学の時は必要ないのにわざわざ日本史の講義取ってたくらいだし。まぁ所詮好きなだけで、今はあまり覚えてないんだけどね。学校の勉強なんてそんなモンさ。

…話が逸れたなぁ(笑)。とりあえず評判も上々で値段も4800円(通常版)だし買ってみようかなと。あと、キャラデザがMOO氏であるというのもそれなりの動機である。MOO氏と言えばエタメロやら悠久やら。かつての電撃黄金期(そんなのない)を支えた人物の一人。久々なのです。余談だが、人生の中で僅かの間だが、俺のあだ名が「むー」だった事があるのも一因だったりするとかしないとか。名前のどこにも「む」なんて文字は入ってないのですが…。

1章 システム編〜五行論理とナーサリークライム(注:関係ないです)〜

ジャンルとしてはADV+SLG。エタメロや悠久に近い作りと言える。プレイヤーはとある理由により平安末期にタイムスリップし、死んでしまった弁慶となってシナリオを進める。全10章。1章ごとの作りは冒頭のADVパート→SLGパート→ボス戦→章末イベントという流れ。ボス戦を含め、ADVパートやSLGパートは大抵複数回ある。というワケで各パートごとの話は以下に。

1.ADVパート

時折出る選択肢が好感度に影響するという、特に変わった事もない普通のADVパート。主人公の弁慶を除いて男女の区別なくフルボイス(ただし主人公もSLGパートや戦闘では音声があります)。会話場面ではキャラのバストアップとそうでないのと2種類の表現方法があって、それをイベントごとに使い分けてある。例えば、秘密の話をする場合はバストアップにしたり、会議など複数のキャラを画面に出す必要があるときは離してみたりと。そうやって作ってあるのは好感が持てます。あと、戦装束と普段着との2種類のグラフィックがあるのも。…いや、当たり前なんだけど、聖魔大戦にはなかったんですよ。

特定の場面に特定のCGもあるし、大した問題点はないと思います。

2.SLGパート

このゲームのメインとなるパート。スタート地点の本陣からマスを「侵攻」して占拠し、規定ターン以内に敵本陣を落とせばマップクリア。マップには他に敵となる妖魔や、妖魔を生み出す鬼門などが配置してあり、これが進軍のジャマをしてくる。そのため、妖魔と「戦闘」したり、鬼門を「工作」で破壊したりしなければならない。また「探索」でアイテム探しをしたりもできる。弁慶と行動を共にすると好感度が上がるので、弁慶は常に誰かと行動する必要がある。というか、選択肢だけでは多分EDに必要な好感度は稼ぎきれません。キャラには100のLP(行動力)が設定されていて、これが少なくなると行動が取れなくなるので「休息」する必要がある。各行動中には突発的にキャラ別のイベントが起きたりすることもあり、微妙に好感度が稼げたりする。規定ターン以内に敵本陣を落とせないとゲームオーバーだが、大抵余裕を持ってクリアできるので、好感度を稼ぐも、とっとと進めるも自由。もっとも、規定ターンギリギリまで行動していたほうが同時攻略という点ではいいのだが。とっととゲームを進行させてしまっても、ボスが倒せないなどゲームに行き詰まることはないと思います。ただヒロイン攻略というのは難しくなると思うけど。

SLGパートでの各種行動はキャラごとに対応した必殺技があり、弁慶と2人で行動を共にする時に限り任意で妖力を使って発動することができる。ちなみにレベルアップは休息と探索以外の各行動を行うことで獲得できる経験値によって行われます。あと、ヘルプメニューもあって、いつでも属性関係を見れたり(戦闘パートでも)できます。

侵攻
それぞれのマスのHPは一定して100で、これを0にすれば占拠となる。マスにはレベルや地形ごとの属性が決められており、キャラのレベルや属性の優劣なども関係してくる。自陣に隣接していない敵陣は侵攻する事ができない。また敵陣の隣接マスを占拠していればしているほど、侵攻に有利になるなどそれなりの戦略要素は高いと思います。敵本陣を落とすのに関係ないマスもあるけど、そこを占領することでイベントが発生したりもする(主に観月イベント)。また、マスを占拠すると妖力を獲得できる。これは必殺技などを用いる際に必要。ちなみに何人で攻めれば落とせるかがゲージで大体分かる親切設計。

弁慶と静が2人だけで侵攻を行う時、妖力を消費してターンを使わずに1マス占領できる必殺技を使用できる。

戦闘
マップ上に存在する妖魔と戦うコマンド。妖魔のレベルや属性は出現したマス=鬼門のあったマスのレベルに依存する。妖魔に源氏本領を落とされるとゲームオーバーになるので、その前に戦闘して倒す必要がある。詳しくはボス戦の欄にて。

弁慶と九羅香が2人だけで戦闘を行う時、妖力を消費してターンを使わず、戦闘を行わず妖魔を退治できる必殺技を使用できる。

工作
マップ上で妖魔を生み出す鬼門を破壊するコマンド。一つの鬼門から生まれる妖魔は「鬼門のHPの半分」。だからゼロにできなくても工作を行う価値は十分にある。鬼門は妖魔を生み出すと消滅するが、数ターン経つとどこかのマスに再び発生する。当然だが、自陣や自陣に隣接していない敵陣(侵攻できないマス)にある鬼門に対して工作はできない。

弁慶と与一が2人だけで工作を行う時、妖力を消費してターンを使わずに無条件で鬼門を破壊できる必殺技を使用できる。

休息
各コマンドを行うのに必要なLPを回復するコマンド。一度休息するとLPが80回復する。

弁慶と紅葉が2人だけで休息を行う時、妖力を消費して全員のLPを全快できる必殺技を使用できる。

探索
探索を行うコマンド。探索で見つける品物は、キャラの好感度を上げるものから各種パラメータを上げたりするものなど色々ある。が、あまり使うことはないと思う。

弁慶と玲奈が2人だけで探索を行う場合、妖力を消費してレア物を発見する確率を上げ、全員に品物の効果を及ぼす必殺技を使用できる。

3.ボス戦

ザコ戦・ボス戦を含めた全ての戦闘はRPG形式で行われる。コマンド式だがすばやい順に行動できる半リアルタイム制。敵味方含めて15ターンほど先までの行動順がアイコンで表示されるので、それを踏まえて行動できる。もっとも、妖魔は外見が同じなので区別できないのだが(笑)

システム的に属性の優劣が戦闘を大きく作用するので、それを考えれば問題ない。ザコ妖魔は何体いようと属性は同じなので、弱点属性を付ける全体攻撃術を持ったキャラに戦闘させるのが基本。戦闘不能になると好感度が大幅に下がる。よってボス戦では属性が不利はキャラは基本的に防御しておいたほうが無難。ちなみに属性は和風なだけあって陰陽五行です。最近、五行って多いですね。キャラの属性はキャラの基本攻撃に反映されるけど術は術の属性があるので、その辺りも戦術として生きてます。

キャラにはMPを消費して使う術と、妖力を消費して使う奥義とがあります。奥義には専用のカットインがあってカッコいい。ちなみに、SLGパートでの合体必殺技にもカットインが入ります

戦闘では時折キャラ同士の掛け合いが入ったり、ステータス異常に対する警告メッセージが入ったりします。結構親切。特にボス戦ではボスとの会話が入ったりもする。それはまるでテイルズのごとく。こういった作りは評価をかなり上げると思います。

…反面、戦闘のテンポが悪いっていうのもあるんだけどね。キャラの切り替えが遅い。音声は飛ばせるけど、術のエフェクトは飛ばせないし(全体対象の場合、2人目からはカットできる)。

4.章末イベント

…というワケでこのゲームの本領のパート(笑)。ギャルゲーらしく、デートイベントなのです。これの回数がキャラ別エンドの条件にもなっているので、結構重要。好感度の上下幅も一番大きい。特定のイベントにはCGも入ります。

5.キャラ別イベント

このゲームの主要パート。SLGパート内で設定された期間内に対象キャラの必要好感度を満たしていれば無条件で発生。選択肢によって好感度は増減するが、エンディングに絶対必要とされる選択というものはない。キャラごとに5つ。例外として敵方にいる観月に関してはSLGパート内に設定されている特定のマスを占領することで発生する。特定のイベントにCGあり。

6.キャラ別エンド

キャラ別イベントを5つ全て通過し、なおかつ一定数の章末イベントを通過していて(正確には誘いを断った回数もある)、さらに必要好感度を越えていれば9章末にヒロインが確定する仕組み。とりあえず、自分の場合は九羅香EDを見たのだが、なんというか…微妙。これは後のシナリオ編にて。

7.義経歴史講座

章末イベントの後に入るオマケコーナー。キャラ同士の掛け合いで行われる歴史解説。本編にはない表情パターンがあったり、投げやり感が非常にいいカンジです。よってあまり解説になってません。なんせ決めゼリフは「気になる人は自分で調べてください」だからね(笑)

比較的キャラグラフィックの裏にある図は結構いい解説になってるんだが、たまにキャラグラフィックがジャマになって見えなくなる。それが気に入らないってのはあります。

8.その他システムについて

ゲーム内のCGを見れるCGモードや、義経歴史講座を見れるムービーモード完備。歴史講座をムービーと呼べるかどうかは置いておいて(笑)。これだけあって音楽モードがないのは残念かなぁ。

本編内のシステムでは、選択肢で好感度の増減が分かる効果音が鳴ったり、ややページが少ない気もするけど一応バックログ機能もあるし、メッセージスキップ(未読・既読の判別は不可)、自動送りなどもある。セーブは章頭、章末イベント直前のみならず、SLGパート内はいつでもできる。SLGパート内はロードもできるので、攻略するために便利な最低限の機能は揃ってます。あと、セーブ個所20が多いか少ないかは個人個人による。

あと、主人公にデフォルト名がないのがね…。ゲーム内での呼び名は弁慶で統一されてるからさほど問題はないと思うけど。主人公の名前考えるのだけで一生懸命だったよ(笑)。結局、歴史に溶けこんでも違和感のなさそうな名前として「和馬」にしました。目の前に置いてあったサンデーをペラペラめくりながら(笑)

2章 音楽編〜ケナシコウルペ〜

音楽は世界観に合うよう、和楽器を中心に作られてます。「うたわれるもの」を考えてもらえば雰囲気は分かってもらえるかと。戦場などの躍動感ある音楽より、物静かな音楽のがいい曲が多かった気がします。音楽モードがないので曲名が分からないけど、観月のテーマとしてよく使われる曲は良かったです。ただ全体的な曲数は少なかった

主題歌は歌ってる人知りません。CDもあるらしいけど見たことありません(笑)。オープニングの曲は個人的に結構好きなタイプの曲でした。

3章 シナリオ編〜チビで出っ歯で馬面で〜

シナリオは実在の歴史を元にしたフィクションということで、基本線は史実からできてます。史実を元にしたゲーム内のシナリオは主人公が弁慶になる序章を除いて、宇治川の戦いから壇ノ浦の戦いまで。ただ根幹要素として平清盛の復活とか妖魔とか、その辺りがメインなんですが。そんなシナリオ内にいくつか残念な点があったので、その辺りを中心に語ってみようかと。

1.不満の残るパーティー構成

味方パーティーは弁慶を含めて6人。源義経である源九羅香、佐藤継信である佐藤紅葉(この2人は男装)、静御前那須与一、伊勢義盛である伊勢玲奈

まず、パーティーが全員女である事が納得できない。…って、いきなりこのゲームの本質を否定しましたよ、この男は(笑)。…えっと、九羅香と紅葉が女なのはまぁいいとして(与一に関しては歴史の情報が曖昧らしいので百歩譲る)、玲奈。メインシナリオのどこを見ても別に女である必要はない。というか、男の友情シナリオも欲しい。そういう点で廉也には大きな期待をしていたのだが。雅史エンドに近いバッドルートでも良かったんだけどなぁ(笑)

次に、義経四天王が揃ってないのが納得できない。ゲーム中の義経歴史講座にあるように、義経四天王として武蔵坊弁慶、、伊勢義盛、佐藤継信、佐藤忠信が挙げられる。…そう、忠信だけがいない。出せば友情シナリオ描けただろうに、それが納得できないというか。まぁこの辺りの歴史は俺自身よく知らないから、史実でこの時には忠信が加わってなかったかもしれないのだが。…なら、書くなって。それに仮に出てたとしても忠信も女になってたのかもしれないし。

2.平観月(=平清盛)による歴史改変

6章後半から7章頭にかけて、主人公が強制的に現代に送還されるシナリオがありますが、全シナリオ中、ここの描写が一番納得できない。そうして主人公が見た改変された現代は、特に何も変わってなかった。「源平の合戦」が「平源の合戦」に変わってたくらいしか違いがない。平家は妖魔などを使役しているという設定で、源平の勝敗が入れ代わったのに、この程度しか変わらないのはどう考えてもおかしい。さらに主人公はタイムスリップする前の時間に戻っている。そんな平穏の中で再び平安時代に飛ぶという考えに辿りつくだろうか?

そして、再び過去に飛ぶための手順も不可解。「最初にタイムスリップした時よりも前に戻ったから、同じ行動を再現すればまたタイムスリップできる」のは理論的にあり得ても、シナリオ的に見てもおかしい。もともと主人公が過去にタイムスリップしたのは、観月が神機覚醒のために「人寄せの術」で呼び寄せたからである。改変された歴史の中の平家にとっては、主人公は必要ない。そもそも、改変された現代で「人寄せの術」で時空が開く事自体があるワケないんだから。…なんだかワケ分からなくなってきた。…つまりまとめてみると、

・改変された歴史では勝ったのは平家
・その歴史改変の根底にあるのは主人公が平安に飛んだこと
・主人公が現代に強制送還されたのは神機が覚醒して(=平家の勝利)、主人公が用済みになったから
・主人公は確かに最初にタイムスリップした時間より前の現代に戻ったが、それはあくまでも改変された現代である
・平家が勝ったとされる改変された歴史の上では観月が「人寄せの術」を使う理由がない

…デスティニー2の時と同じだな、これは(笑)。とにかく、こう考えるとどうしても時空が開いた理由が分からないんです。観月が弁慶に会いたいと思う事はあっても、自分のためだけに能力を使う性格じゃないし。

3.10章における巴御前と廉也の加入

10章は主要メンバーがシナリオ上の都合で抜け、代わりにに巴御前と廉也が加わるが、この時に行われる妖魔戦では戦闘はAVGパートとして片付けられる。これが勿体なかったなぁと。個人的には敵との休戦及び共闘はこのテの戦争シナリオにおいて最も熱い場面だと思ってる。男女の違いはあれど似た者同士、巴と廉也の会話なんてカッコ良すぎますよ、マジで。ここできちんと戦闘パート入れるだけで物語はかなり盛り上がったハズなのに…。

4.九羅香エンドについて

…とりあえずメインヒロインである九羅香エンドを見たワケなんですが、これも残念だった点がある。歴史上、義経は兄・頼朝と戦うことになってます。しかも、九羅香の頼朝に対する想いというのはメインシナリオだけでなくキャラ別イベントでも描かれました。そしてシナリオ上、復活した清盛を倒すために源氏を捨てることにもなった。

まぁそれを踏まえた上で考えられる事がある。義経伝説を生かせなかったか、と。義経がジンギスカンになったとか、そういう伝説ですね。それを生かした上で主人公との逃避生活とか、そういうエンディングのが良かった気がする。何も現代について来いとまでは言わないけど、個別エンディングというにはあまりにも素っ気無さすぎなエンディングだったのは残念。主人公が再び平安に戻った心情を考えれば、むしろ主人公が残ることこそがシナリオとして当然だった気がするし、しっくりすると思うのだが…。ただ、他キャラのエンディングを見てないので何とも言えないんだけど。

5.弁慶と観月

…実はですね、このゲームの本当のヒロインは観月だと思うんですよ。観月は清盛復活のための器として、また弁慶を呼び出すための術者として、その体も精神も自分自身で自由に扱えない。テキスト上でも、弁慶は味方ヒロインよりも観月のほうを気にかけてるし、観月のほうにもそれは言える。物語のキーパーソンとして、観月エンドこそが本当の意味での完結ではないかと思う。…見てないんだけど(笑)。ただ観月エンドに辿りつく条件は結構難しい。SLGパートにある観月イベントを5つ制覇、必要好感度、味方ヒロインの好感度一定値以下など。

それと、確かに観月…というか、観月を依り代として復活した清盛が全ての元凶なんだけど、味方ヒロインルートにおける観月の生死が不明なのは後味が悪い。ただでさえラスボスである清盛は観月の体を乗っ取ってるんだし。

6.平家武将

ゲーム内では平清盛、平知盛、平教経、平敦盛などが登場する。このうち清盛と敦盛は絶対悪として描かれてるけど、知盛と教経はきちんとした武将。知盛は平家一門を背負う身として真剣に戦ってるし(清盛復活と神機入手もそのため)、教経もただ強い人間と戦うことだけのために生きてる。教経が廉也に言った「お前など足手まといだ。観月を…あいつを守ってやれ」ってセリフはかなりシビれました。「あいつ」という表現をしている時点で清盛復活に与するつもりがないのは見て取れるし。史実との絡みがあるから仕方ないんだけど、もう少し平家武将に華を持たせたかったなぁ。

7.過去と現代の関連性

シナリオの途中で主人公が「巴御前と先生(現代の担任)が似ている」って事を言うシーンがある。この辺りの関連が全く描かれてないのは消化不良ではないかと。これも九羅香エンドの項目で書いた事につながるけど、このことと繋げることはできたと思うんだよね。プロローグで本物の弁慶が語った「縁(えにし)」というものを少しでもエンディングを含めた現代でも見せてくれればなぁ、と。クラスメイトに似た女子がいるとかでもいいから。体育教師が教経に似てるとかでもいいから(笑)

終章 総括編〜きっとまた会える〜

エンディングでこんな主人公のモノローグが入りました(ここだけは特別に音声があった)が、それっぽいエンディングではありませんでした(しつこい)。

…さておき総評を。シナリオ周りを中心にやや気になる点も多かったけど、4800円という低価格帯の割に親切なシステムと質の高さ。所詮はギャルゲーなんで万人向けとは言いづらいけど、歴史好きならもう少し評価を上積みできるでしょう。ただ、マルチEDのゲームにしてはプレイ時間が長いかもしれません。前半戦で好感度を稼ぎまくっておいて、中盤からのデータ流用をしてもかなりの時間がかかると思う。それゆえに戦闘のテンポが悪いのはイライラしたりもしたけど。プレイ時間から考えてもキャラ別のイベント数が少ないって気もする。

それでも十分に楽しめたゲームでした。設定からしてこれがシリーズ化することはないけど、システムを踏襲した同系統のゲームが出れば、期待は十分できると思う。


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