テイルズオブデスティニー2 レビュー

準備稿アップから3週間くらい?
〆切り直前でやっと完成(笑)

はじめに一言。
1章のシステム編はシステムの説明に終始してるので、やった事ある人は飛ばしてもらって構いません。
3章のキャラ解析編以降は全編ネタバレを含んだ構成になってるので、未クリアの人は注意してください。


序章 テイルズオブデスティニー復讐戦〜リオンのデモンズランスが好きだった〜

正直なところ、テイルズオブデスティニーは全くのダメダメな作品という評価は覆しえない事実だと思います。その理由は多々あるでしょうが、その代表的なのが人格を持つ剣・ソーディアンの存在。このシナリオの中核を担うモノが戦闘のバランスを極端に破綻させていた。魔法使い系のフィリアが剣を持って戦ってる姿に違和感を覚えた人は100人中100人だと思われます。別に剣にこだわらなくても、レンズを埋め込んだ他の武器でも問題はなかったと思う。そしてソーディアンを強化するアタッチメントディスク。これを付けると本来そのソーディアンが覚えない晶術を覚えたり、攻撃力を補正したりできたのだが、これが戦闘システム破綻の元凶。追加晶術のディスクでさえ、かなりの攻撃力補正値を持ってたんです。おかげで非ソーディアンマスターの存在価値は全くと言っていいほどなく、よほどの思い入れがない限り使う必要などなかった。

だけど個人的にはシナリオの不備のほうが大きかった。それはひとえにリオン・マグナスの扱いに尽きる。エンディングで4本のソーディアンが犠牲になるがために、途中で無情の死を遂げたリオンの扱いは完全に忘れ去られていた。「運命」というテーマに一番翻弄されていたキャラであったにも関わらず、である。ダイクロフト脱出の際、スタン達はなぜその亡骸を放置したのか?きちんと葬ってやろうという意思はなかったのか?…そんなことはあり得ない。スタン達は決して多くを語ろうとしないリオンの行動に隠されていた「正義」をきちんと理解していたのだから。

…と、まぁマジメな文章はこれくらいにして本題。要するに、このような低評価を覆す自信がスタッフにあるからこそ、シリーズ初の続編物を作ることになった――と考えられるワケで。それから推測するに、今回のシナリオは前作のシナリオの補完を含め、期待大という発売前の個人的展望。その裏で、ソーディアンがなくなった世界での「晶術」の理論体系の説明なども見所でした。その他アクセス系統など恒例の問題を踏まえた上で次項へ続く。

1章 システム編〜「スピリッツが少ない時に攻撃するな!弾かれるぞ!!」〜

ゲームの中核を担うシステム面をブッタ斬り。「喝ッ!」でおなじみ大沢親分と張本氏は登場しない。

1.SPシステムの導入

今作から導入されたスピリッツ。簡単に言うとキャラのスタミナ。攻撃すると減り、時間経過や晶術詠唱中などに回復。回復速度はキャラによって違う。これが少ない時に攻撃すると命中率が下がったり、ダメージが自分に返ってきたりする上、自らの防御や回避率も下がるなどの悪影響が出る。したがって今までのような、タコ殴りリンチ作戦(仮称)は事実上不可能。それに伴って味方との連携や個人連携(SPがない時は晶術で攻める)など、戦術が深くなると同時に、戦闘そのものが単調になりにくくなった。

SPは全キャラ100で固定。ただしSPの軽減率や回復率はレベルアップとともに上昇。当然、キャラごとに上昇率は違うけど。攻撃や特技使用時のSP消費の詳しい数字は画面に現れません。ゲージで大まかに分かるくらい。追加特技や追加晶術などは分かるけど。それとSPは敵にもあります。SPを減らしてから攻撃とか、SPの高いうちは晶術で攻めるとかの戦術もいります。特にボス戦。

また、SPが常に100で固定されるスピリッツブラスター状態というのがあり、もはや格ゲー。スピリッツブラスター時はダメージを軽減する、のけぞらない、戦闘不能になってもHP1で復活する、秘奥義や具現結晶が出せる(奥義に秘奥義、上級晶術に具現結晶のアクションエンチャントを付ける必要がある。詳しくは後述)などのメリットがある。秘奥義は使用するとSPが0になるので注意が必要。スピリッツブラスターは同時にTP回復力も格段に上げるので、あえて技や奥義を使わずにTP回復に専念することも可能。なお、敵にSPがある以上、当然ボスもスピリッツブラスター状態になる(正確にはザコもなるんだけど、大抵その前に死ぬ)ので、その時は結構大変。

2.TPシステムの変更

今まではレベルが上がればTPも増えたが、今回は最初から最後まで100で固定。その代わり、戦闘中に徐々に回復。SPと同じで回復速度はキャラごとに違う。その方法は攻撃する、敵を倒す、時間経過などさまざま。戦闘終了時の回復はなくなってます。

SPと同様にTPにも軽減率や回復率があり、これらもレベルアップとともに上昇します。晶術や特技には必要TPの設定があり、基本値を元に軽減率によってTP消費が減ります。その数値は小数点第2位まで。余談ですが、今回のエメラルドリングやフェアリィリングはこの軽減率に影響を及ぼすが、今までほど劇的な効果はないですよ…。

余談をもうひとつ。オレンジグミなどTP回復アイテムの「TPを何%回復」って別に%いらないよね。100で固定なんだから。

3.エンチャントシステムについて

エンチャントは特技や術を自由にカスタマイズするシステム。キャラごとに習得できるエンチャントは微妙な差があるけれど、大体は同じ。エンチャントは付けているだけで効果を発揮するアームドエンチャント(攻撃力アップや命中率アップなど)と、攻撃後に○ボタンを追加入力することによって発動するアクションエンチャント(追加特技や追加晶術など)の2種類。一部回復晶術を除いて大抵両方付けられるが、アームドとアクションの一つずつしか装備できない。その特技の長所を伸ばすも短所を補うもプレイヤーの自由

エンチャントスキルやスペルは特技や晶術と同じでキャラのレベルアップ(正確にはアクティブレベルや属性レベルだけど、まぁこれらもレベルアップと同時に上がるワケで。ただし偏った晶術ばかり使ってると属性レベルが上がらないので、新しい晶術が覚えにくくなる)に伴って習得し、レベルは最大で4。特技や晶術の使用回数はエンチャントスキルやスペルを付けるために必要。レベルの高いものほどより多くの使用回数が必要。エンチャントスキルやスペルを外せば使用回数は元に戻るので、マップごとなど臨機応変に変えていくとゲーム進行が楽になる。

まぁアクションエンチャントは基本的に追加特技・秘奥義や追加晶術・具現結晶に使うことになるけど、アームドエンチャントは人によって変わるんじゃないかな。例えばカイルの場合、俺はアイテム強奪でアイテム拾って資金繰りしながら進めて行ったけど、別に攻撃力アップを付けてとっとと進めていってもいいワケで。

また、今回は状態異常を回復する、今までの「リカバー」に当たる晶術がない。代わりにヒールなどの回復晶術に付ける「リカバー」のエンチャントスペルがあるけど…いまいち使い勝手が良くない。というのもエンチャントスペルのレベルごとに対応する状態異常が違うから。レベル4だからどんな異常も全て回復するというワケじゃない。予めその敵がどんな異常攻撃をしてくるか分かってればいいんだけど、エンチャントの付け替えは戦闘中できないし、その都度付け替えていくのもめんどい。レベルが上がれば対応する異常が増えていく、っていうのなら良かったのに。それにも関わらず、状態異常攻撃をしてくる敵が今までのシリーズにないくらい多い。したがって「パナシーアボトル」は今回、グミ以上に需要が高いアイテム。リカバーのエンチャントスペルよりパナシーアボトル。コレ、このゲームの常識アルね。

4.技、及び晶術体系の一新

まずは晶術から。前作では晶術はソーディアンを媒介として使うものだったので、非ソーディアンマスターには使えなかった。今回は続編だけどソーディアンそのものがなく、全員非ソーディアンマスター。なので晶術体系がどうなるのか見物だった。まぁこのことはひとまず置いておくとして。…そういうワケで晶術体系を変更してくるのは予想できてたから全く違和感はなかったかな。インディグネイションとかなくなったのは少し悲しいけど。エターニアに続いて晶術発動中のウェイトはなし(具現結晶及び秘奥義発動中以外)。それと上級晶術には詠唱音声が入ります。おかげで上級晶術は詠唱時間が長いけど無問題。オッケーオッケー。実際、ファンタジアのOPのインデグニションの時から上級晶術だけでも詠唱音声欲しいと思ってたし。エターニアではゼクンドゥス戦の一定条件下でのみインディグネイションの詠唱音声(とカットイン)が入ってたけどさ。

晶術の詠唱時間は晶術ごとでなく、キャラごとに違う。同じ晶術でも詠唱速度の速いキャラほど発動が早い。…いや、正確には詠唱時間は同じなんだけど、キャラごとに設定されている詠唱速度(レベルが上がれば上昇する)が違うので結果として詠唱時間が変わる。今までとの決定的な違いはそこです。どうせなら上級晶術の詠唱呪文も違えば良かったのになぁ。

そして特技や奥義も今までのシリーズが踏襲してきた体系を完全に一新してます。特技は3文字、奥義や秘奥義は5文字といった具合に文字面でも変化。けれどもこれは別に変更する必要はなかったと思う。スタンがディムロスと組む事で使えた奥義はともかく、その他の技はそのまま使っても良かった。むしろ使う事で前作との繋がりを見出せるというメリットもあったワケで…。どうせ蒼破刃は魔神剣、散葉塵は秋沙雨と、多少のマイナーチェンジをしてるだけだし。無論、新登場する特技は必要だけどね。特にカイルはスタンとルーティの息子だから、二人の技が使えたら…盛り上がったと思うよ。ジューダスの爪竜連牙斬とかも見たかったよなぁ。

すでに書いたけど、エターニアで隠し要素だった秘奥義は今回正式にエンチャントスキルとして装備することで発動できるようになった。例外を除いて基本的にスピリッツブラスターの時しか出せないけど。リアラやハロルドも秘奥義にあたる具現結晶(召喚術みたいなもの)が出せます。こちらはスピリッツブラスター時限定。どちらもカットインが入るのでカッコええ。

5.隊列及び号令、作戦システムの変化

今回は隊列というものはなく、キャラのポジションどりはそのキャラに指定する作戦で決まる。例えば「反撃に努めろ」なら、そのキャラは強制的に前衛におかれる。攻撃や回復の頻度はエターニアの時と変わらず、1〜5の間で決定。エターニアでは設定した3つの隊列を戦闘中に自由に変えれたけど、今回は3つの号令を登録しておいて、それを場合場合で変更していくシステム。基本的にはボス戦の時しか使わないかな。ボスがスピリッツブラスターになると耐えるしかなくなるからねぇ。その時に攻撃頻度を抑えて温存する号令を登録しておくと便利かな。それと逃げ回る時も晶術や特技を使わないようにしておく号令を登録しておくのも便利。

6.フィールドオブエフェクトの存在

一部の敵が、自分を中心とした戦闘画面の一部に様々な効果をもたらす特殊な地場を作り出すのがフィールドオブエフェクト。このうち、敵自身にプラス効果を発生させるものはまぁいいとして、厄介なのがこちら側を状態異常に陥れるFOE。毒くらいならまだかわいい物だが、これが麻痺・衰弱・凍結の類になると厄介なことこの上ない。その中でも衰弱状態は今回TPが100に固定だからあっという間になくなっちゃうし、致命傷になる。今までのポイズンチェックなどの状態異常防止アクセサリが、今回の装備アイテムの特性上、状態異常軽減までの役目しか果たさない(後述)というのと相成って、このFOEの存在(特にボス戦)を凶悪なモノにしてる。それに出してる間は動きが遅くなるなどのデメリットがあるワケじゃなく、一方的にこちらが不利になるだけ。一応時間経過以外にも攻撃をヒットさせ続けるなどの行為で消すことはできるんだけど…わざわざ衰弱や凍結になる地場に飛び込めるワケないじゃん…。地場に入ったと同時に凍結。…どうやって攻撃当てろと?晶術で攻めたって消せるほどの多段ヒットになるワケじゃないし…。このシステムって別にいらないと思うよ。イラつくだけだったし。慌しい戦闘中に装備の付け替えもめんどくさい…。

7.その他の戦闘システム総ざらい

まずはバックアタックや挟み撃ちの状態で戦闘開始することがなくなった。これはSPを設定した事に連動しています。挟み撃ちというか、敵の背後に回るとSPとTPの最大値が半分になるのと同時に、回復率もダウンするようになった(ただし100の状態で回りこんだ場合はイキナリ減らず、50以下になった時点でそこまでしか回復しなくなるし、50に減るまではどんなに動かなくても回復しない)から。だからスピリッツブラスター時を除いては敵の背後に回るメリットはそれほどない。どのみち敵がたまたま浮いたり、ジャンプするかしない限り、走り抜けることもできなくなったしね。さらに元の位置に戻るには僅かだけどだけどSPを消費するバックステップを使わないといけない。もしSP切れの状態だと回復するまで僅かだけどタコ殴りに逢うワケで。

そして背後に回れないということで、敵の後衛に晶術使いがいるとかなり戦闘がめんどくさくなります。後半になればなるほど敵の使う晶術も強くなっていくので、あっという間に全滅の憂き目にあう事も…。作戦で「晶術を使わせるな」というのもありますが、これだと詠唱待機状態でじっとすることもあるので、使用回数が増えなかったりもするし…。晶術防御もあるにはあるけど。俺みたいに、「オートにはオートのやり方で自由にやらせておくことこそが、テイルズのリニアモーションバトルの本質だ!」って考えで指示を出さない人は今回の戦闘は結構苦労しますね。ザコ戦で全滅することなんて今まではなかったのに…。それでもそれを含めて十分楽しいと感じたけど。

あと、戦闘中の晶術面でひとつ。ちょっと未確認だけど上級晶術発動中など一部の状態で他のキャラの詠唱が済んでいても待機状態のまま待たされる場合がある。当然ウェイトがかからないので、その間に攻撃を受けると本来すでに発動しているハズの晶術が発動しないまま詠唱を中断させられる場合がある。あれは理不尽だよなぁ…。

今回の戦闘で一番良かったのは、さっきも書いた上級晶術の詠唱が入ったこともそうだけど、とにかくキャラがしゃべりまくる事だと思う。今までは特技・晶術名に軽い掛声くらいだったのが、今回はそれに加えてキャラ同士の掛け合いが格段に入った。「あの世行きだ!」と叫びつつ使った技を弾かれたロニに、カイルが「お前が行ってどうする?」ってツッコんだのは普通に笑ったよ。あと、一部ボス戦などではその敵との戦い方みたいな会話がされるのも良かったかな。また、戦闘終了時にも掛け合いはある。ジューダスとロニの「足さえ引っ張られなきゃこんなものさ」「はぁ!?」とか、キャラ同士の性格とか関係が出てて良かった。当たり前だけど戦闘に出す4人しか聞けないので、メンバーを変えていくと色々聞ける。…いや、まぁセカンドプレイからのサウンドテストで聞けるけどね。

8.装備アイテム形態の刷新及びリファインシステムの導入

今回は装備アイテムの形態が今までの全く変わって、ある装備品をベースとして、様々な効果を付随させるスロットという効果を持った武具ができた。簡単に言うと、ロングソードに「アタック」のスロットが付いていると、普通のロングソードより攻撃力が上がる。スロットは他にも最大HPを上げる、TP回復率を上げるなどステータス補正を付けるものから、属性付加、属性耐性付加、状態異常耐性、状態異常軽減など様々。基本的に店で買う物はスロットがなく、敵や宝箱から回収するものにはスロットが付いてる。

スロットには1〜8までのレベルがあり、高いものほど効果が高くなる。エンチャントと同様に、ここでもキャラのステータス補正ができるのが自由度の高さに拍車をかけている。

そしてアイテムとアイテムを掛け合わせて新しいスロットの付いた装備品を作るのがリファイン。リファインにはルーンボトルと、アイテムレベルに対応するレンズが必要。スロットの付いた装備品同士を掛け合わせてスロットが2つ付いた装備品を作るのが主流かな。店では敵が落とすより高い数値を持つ武具を売ってるから、それを買って、敵が落としたスロット付装備品とリファインしてより強いのを作るとか。あまりに補正値がかけ離れてると、スロットレベルは引き継いでも出来上がる武具そのもののの補正値は下がるけどね。それとアクセサリ×武具とかもできるけど、俺はあまりやらなかったな。アクセサリのスロットレベルが5までしかないのが原因だけど。

…そう、さっきFOEのトコで書いた状態異常防止アクセサリが軽減までの役目しか果たさないという意味はこれ。例えばフリーズチェックは凍結効果を防止するけど、スロットレベルは5。最大が8であることを考えれば、効果は高いものの100%防止はできないことになる。事実俺は装備してても凍結した。そうなれば、根性で闘っていればいつか敵がレベル8の凍結防止のスロットを持った鎧を落とすかもしれないワケで(ただし、状態異常防止のスロットレベルが5までしかないなどの可能性もある。ちょっと未確認)。

装備品には「ユニークアイテム」というのがある。これはそのままで強い分、リファインができないようになっている。ステータス補正値もスロットレベルも高いけど、リファインによるスロットでステータスに補正をかける自由が利かない。もしステータス補正値にこだわらないなら、ゲームも終わりに近づいた時に武具×フェアリィリングでリファインして、アクセサリにもう一個フェアリィリングを装備するなど強引にスロット補正をかける手段もできる。ただ一度リファインしたら分解はできないので、その武具よりいい装備が見つかった時に貴重なフェアリィリングを諦めないといけなくなるけどね。

例えばユニークアイテムである「エクスカリバー」の攻撃力は高いけど、スロットは光属性付加レベル6の「ブリリアント」のみ。少し攻撃力は下がるものの、敵が落とす「シャムシール」をリファインして適当に好みのスロットを付けてたくさんの補正をかけるのとどっちが自分としてやり易いか?要するにそういう自由度が楽しめるのがリファイン。ちなみに俺は後者タイプ。攻撃力を下げる代わりに、そのキャラの弱点を補正しつつ装備品を固めていった。

9.その他アクセス問題、フィールド画面、称号、スクリーンチャット、複数回プレイ、隠しイベントについて

・アクセスについて
あれだけ音声が入って読み込みを感じないのはユーディーのアトリエ以来。エンカウント数がやや高いこのシリーズ、アクセスが速くないとやってられないのだが、全く問題ナッシング

・フィールド画面について
3Dになったこともあり、かなり見づらい。まぁデスティニーと同じマップを動き回るワケだから、高低差とかつけるなどの微調整をしないとプレイヤーが飽きる可能性があったのを見据えてなんだろうけど…なんて言うか、やりすぎ。次の目的地はワールドマップに出るけど、そこまで直進で行けるワケじゃないし。広域図だけじゃなく、もっと道のりを詳しく見れるマップ画面も必要だったと思う。

今回のシナリオ上、その時代時代で動ける範囲はせいぜい大陸一個。終盤まで世界中を自由に動き回れないのはややストレスっていうか食傷気味になってたなぁ、俺は。だって時代は違ってもマップは大体同じでしょ?ファンダリア周辺はほとんどの時代で動きまわらされた。よって「また同じ場所かよ!+見づらいマップ+微妙な変化=いい加減ムカついてきた」の公式が成立。やっぱりもっと広い範囲を動き回りたかった。まぁ時代が飛んでるだけで、総合的に動いた範囲は広いんだけど、二重三重に同じ場所回されたのが何とも…。

・称号について
前回、ややないがしろにされていた称号。今回は称号の説明が復活した他、レベルアップ時のステータス変化にも影響を与える。一つの称号に対し、プラス補正になるのもあればマイナス補正になるのもあるので、そのキャラに最も有利になる補正の付く称号を付けておくといいカンジ。まぁホント微妙なモノなんで大した違いは出てこないけど、さすがに最初から最後まで同じだと偏るんで、少しずつ変えたほうがいいかも。

・スクリーンチャットについて
キャラ同士の会話などが聞ける、このシリーズ特有のシステム。相変わらず膨大。ヒントも聞けるのでゲーム進行が進めやすいなどの利点があるが、ヒントはヒントとして聞けないのでややイラつくかも。エターニアの時はヒントはヒント、会話は会話で分かれてたんだし。今回はこのチャットにより称号が獲得できたりする場合も。

・複数回プレイについて
現段階でまだ1回しかやってないんで何とも言えないけど、ジューダスの魔人滅殺闇の秘奥義にさらに秘奥義が出せるようになるとか聞きました。楽しみ。あとは獲得グレードを使って色んな条件の下でセカンドプレイができるようになる。アイテム図鑑引継ぎとか、習得特技の引継ぎや特技の使用回数引継ぎとか。個人的にはランダムエンカウントがなくなるを選択してクリアする猛者の登場を希望する(笑)

・隠しイベントについて
テイルズシリーズでは、隠しイベントでゲストに歴代キャラが出てくるのがお約束だったけど、今回はないご様子。残念。まぁ当然、メインシナリオにはデスティニーに出てきたキャラは出てくるんだけど。闘技場ではリムルと闘う隠しイベントはあるけど、リッドが出てきたりしないし、ワルキューレも見かけなかった。隠しイベントはやや縮小された感アリ。お約束の隠しダンジョンは存在するけどね。

2章 音楽編〜倉木麻衣である理由ってあるのか?〜

主題歌いいよね。カッコいい。でも倉木麻衣である必要ってないね。無駄に宣伝効果を求めてる。まぁこれで少なくとも倉木サイドもナムコサイドも多少は売上に貢献するだろうからいいんだろうけど…。俺の2002年ゲームランキングにも書いたけど、これをレコード大賞にしなかったのは歌い手の問題だったから。いいんだけど、裏しか見えなかった。仮によーみなら文句なく選出してただろうなぁ。以上、主題歌編。

そしてBGMについて。…正直、今回は一番いいかもしれない。少なくともファンタジアに負けてない。とりあえずシリーズで順位を付けるなら、デスティニー≦エターニア<ファンタジア≦デスティニー2ってカンジかな?芸が細かいのも好感が持てた。時代時代のフィールド曲・戦闘曲が違うし、戦闘終了時ファンファーレもグレードごとに変えてあって、なかなか良い。街ごとに曲も違うし。まぁPSからPS2に移行してランクが下がってるようなら話になんないんだけどさ(笑)

…結局、俺には音楽について語るセンスはないので、これくらいで勘弁してください。

3章 キャラ解析編〜勝手にスペクタクルズ〜

登場主要キャラそれぞれに対する解析。解析というほど大層なモノになってはおりませぬ。

1.カイル・デュナミス

スタンとルーティの息子という割りに、性格も外見もほぼスタン。はっきり言ってシナリオ上の印象でもスタンを見ているのと変わらなかった。性格もあまりに同じすぎて途中で見飽きた感があったのは事実。

主人公だけあって戦闘での使い勝手はかなりいい。SPの回復・軽減率が高く動き回れるので、リニアモーション向けだし、純粋に戦闘を楽しめるキャラ。個人的に特技は爆炎剣(ターゲットを変えておけば後衛まで届く)、エンチャントはアイテム強奪がオススメ。晶術はSP切れの時にしか使う必要はないけど、スラストファングバーンストライク詠唱加速+HP吸収のエンチャントスペルを付けておくと自給自足もできていい。

2.リアラ

どうにも最後まで好きになれなかったんだけど、まぁそれは後で語るとして。

シナリオ上は好きになれなかったんだけど、戦闘に限ってはかなり好き。動きとかセリフとか。晶術使いなため自分で操作するには不向き。オートにまかせておいたほうが賢明。まぁ肉弾戦はオートに任せて、自分はサポートに回るってなやり方が好きなら別にいいんだけど。TP回復率が高いので連発も効くし、ボス戦でコストの高い具現結晶出されても結構平気。TP切れの時はアイテムに切り替えれるよう、アイテム使用硬直時間減少のスロットで補正をかけるとスキが減る。実際、戦闘で一番外せないキャラ

3.ロニ・デュナミス

パーティー最年長のクセに、まとめ役にはなっていない。まぁムードメーカーにはなっていたようだが。

戦士系だがヒールが使えるために序盤は思い切って前衛に出せず、実力が出し切れなかった。リアラ加入後が本領発揮。基本的に使える特技が大雑把(威力が高いが発動が遅いとか命中率が低いとか)なのが問題。瞬間完全回避命中率アップのエンチャントスキルを付けるのが基本。後半、サンドラの槍+マム・ベイン、アクセサリにTP回復か軽減のものを付ければ、攻撃頻度を5にしておいてもなかなかTPが減らなくなり、ほぼ無敵状態に。

4.ジューダス

やる前から分かっていた通り、正体はリオン・マグナス。これは後で存分に語ります(笑)。まぁリオンなので、キャラ面で語ることは今更ないかと。最年長が笑いを取りに走る分、まとめ役を担った。まぁパーティーキャラでは前作と唯一接点を持つキャラなんで、最初から最後まで重要な役目を果たしてました。

どうにもこうにもHPが低い。確かにリオンの時も打たれ弱くはあったんだけど、リアラやハロルドの晶術組より低いのはどうかと。SP回復も低いので戦士系としてちと不安。晶術で牽制しつつ、前衛のカイルやロニと連携していくのが基本なんだけど、俺はジューダスでむちゃくちゃ攻めたいんじゃあッ!(笑)…後半になればSP回復率も上がってくるし、TP回復率もあるので自キャラとしてはカイルより使えるようになるんだけどね。その際、スロットでSP回復に補正をかけておくとなおヨシ。エンチャントスペルに毒の追加攻撃があったり、なんか根暗さに磨きがかかった気が…(爆)

5.ナナリー・フレッチ

キャラ的にはロニと組んでれば最強ってことで(笑)。シナリオ的にはリアラよりよほどかヒロイン的だったと思うぞ、俺は。19歳はコンシューマのヒロインとしてはちと高齢だったか…(爆)

このゲームの弓ユニットは作品が進むにつれ弱くなっていくような…。SFC版ファンタジアのチェスターは技こそなかったけどムチャクチャに強かったのに。まぁ弓使いは基本的に自分で操作するもんじゃないね。特技連携とかもあまりしないし。晶術は一応上級まで使えるし、弓は敵の牽制にかなり使えるんだけど…ハロルド加入後はほとんどナナリーに頼らなくなった…。

6.ハロルド・ベルセリオス

…え〜、なんかデスティニーの時のベルセリオスの設定と違います。そもそも女だったとは…。マッドサイエンティストなのはその通りなんだけど…。ああいう本物のマッドじゃないけどさ。

ハロルドは一発屋。晶術は強力なんだが、いかんせんTP回復率が低すぎる。まぁTP軽減率が高いのでコストパフォーマンスには優れてるんだけど。リアラに比べて詠唱速度も速いし、当然具現結晶も出せるワケで。リアラもハロルドも回復晶術が使えるけど、どっちかって言えばハロルドには攻撃担当のほうが似合ってる。TP回復に補正をかけまくれば、長期戦にも耐えられるんだが。

4章 シナリオ編〜ラグナ遺跡ってクラウディスだよね?〜

今回期待をもって臨んだシナリオですが、先に結論から入ります。結論は…かつてないくらい最低

まぁ理由は大小合わせて23個くらいあるんだけど、一番大きいのは展開の強引さ。いや、強引なんて生易しいモンじゃないな。とにかく理不尽。あれだけ史実を含めた時間軸を簡単にいじりまわせば辻褄合うわな、そりゃあ。でもこれはシナリオの構成として絶対やっちゃいけない禁じ手だよ。そう思った理由はたくさんあるので、以下にツラツラと。あ、最初に言っとくとこの4章は批判しかないので、シナリオが気に入ってる人は飛ばしてくださいな。

1.全て意味が無かった

エンディングで神であるフォルトゥナが死ぬ事で、フォルトゥナに連なるエルレイン(とリアラ)、エルレインに連なるバルバトスがいじくり回した歴史の改変の全てがなかったことになる。って事は、最初にスタンが死んだことすらなかったことになり、当然何事も無かったかのように復活。ロニのカイルへの繋がりを確固たるものにしているのはスタンがバルバトスに殺された事件。要するにこの元に戻ったとされる時間軸の世界においてカイルとロニはあれほど仲が良くないし、しいてはロニの生き様すら無かった事になるんだよね。だってエルレインの歴史介入がなされた状態の世界からゲームのシナリオは始まったんだもん。それが最後のエンディングでなかったって事になるんだから…正直、俺は今まで自分がこのゲームをここまで進めたことすら否定された気分になったよ…。

2.都合よすぎる「奇跡」

それとエンディングでリアラが復活した理由が分かりません。フォルトゥナを倒すとリアラはどうなるかという問題の答えに、本人は「ありとあらゆる時空間から消える」と答えてる。まぁ確かに自分でも分からないことだからリアラ個人の推測なんだけど。でもリアラはエルレインと同じでフォルトゥナ神に生み出された存在で、その神が消えれば自分も消えるのは事実で、復活するとしたら神であるフォルトゥナがいなければ始まらない。エルレインはフォルトゥナが作ろうとしなければ存在しえないだろうからいいけど。要するにこの3者のうち、フォルトゥナ以外は単体では存在できないハズなんだよ、設定上。そして人々の記憶を含め全てが無かった事になるエンディングの流れから、こうしてリアラの復活することはどうしてもその理由に納得がいかなくて感動はできなかったなぁ。

…え〜っと、ここからは少し個人的な考え方なんだけど、Kanonの場合、起きる奇跡の代償として「あゆの死」(栞や真琴や舞も)というモノがあった(あゆシナリオの場合は他の誰か)。シナリオ上でその部分は語られないし、自分の推測にしか過ぎないんだけど、これは想像するに難くない。仮に現実世界ではその奇跡が起きうるとしても、シナリオというものの上においては一方的に起きる(代償のない)奇跡はただのご都合主義にしか取れないと思う。デスティニー2のリアラの復活はまさにそれに当てはまった。…まぁこういう考え方があるからこそこの奇跡が納得できないだけであって、こういう考え方をしなけりゃ別に普通に感動できたのかもしれないが。潜在的には記憶が残ってたんだし、今回の冒険がなかったことになるのが代償ってのは少し違うと思うんだよなぁ…。

3.フォルトゥナと闘う理由

ラスボスでもあるフォルトゥナ神。俺にはコイツと闘う理由が分かりません。フォルトゥナは人間を幸せにするために自分がなすべき事を探すためにエルレインとリアラを生み出した。で、セミファイナルのエルレイン戦後に、リアラに対して「エルレインのやり方では人々を幸せにする事はできませんでした」と言いながら、そしてリアラの探して来た答え、「する事は何もない。私達は消えるべき」と聞くやいなや態度を反転。「人々は神の救いがなければ生きてはいけない弱い存在」などと、エルレインとした問答を再び交わすことになった挙げ句、襲い掛かってくる始末。神どころか、自分を神だと言い張る悪い宗教団体の主みたいだよ(爆)

…思うに、エルレインと同じ考え方持ってるんだったら最初からリアラだけ消してしまえば良かったんだろう。リアラに答えを聞くってことはどうもリアラの行動全てを掌握してるワケではないようだが、エルレインの行動は知ってたんだし、さらにエルレインとフォルトゥナの答えは同じ。ならいつまでも自分に答えを献上しないリアラを消すには十分な状態だったように思える。

結局、フォルトゥナが神のクセにワケ分からん行動に終始していた。二人の聖女のうち、片方の行動は掌握してるのに、片方は放置。掌握してるほうの答えが違ったので、もう一方の答えを聞いたら納得できないと暴れる。こんなスジの通ってないラスボスは初めてだよ。ファンタジアのダオスなんか過程や結果はどうあれ「自らの星を救う」という名分を持ってたし、他のどんなラスボスだって自分なりの「正義」(当然、それが一般的に正しいとは限らない)を持ってるんだけど…コイツただワガママだっただけじゃん?

4.バルバトスの行動理念

コイツもよく分からん。何のために英雄殺しなんかやってたのか?最初は「強いヤツと闘う事が生きがい」というバリバリ戦士系の男で、エルレインと組んでるのは時間を越えて強いヤツと闘うのが目的(エルレインのしている事に対しては興味はない)だと思ったんだが…。スタンとルーティ相手にはカイルを人質に取り「武器を捨てろ!」とのたまい、さらに過去ではアトワイトを人質に取ったこともあったな。そんな勝利で満足できますかね?こういった行動から考えると、どうしてもエルレインに従ってるだけにしか見えない。まぁ本人は強いヤツと戦えるならそう思われてたって構わんのだろうが、やる事なす事卑怯な上に中途半端でどうしてもそんな戦士には見えなかった。強いヤツと闘うことが理由じゃないなら、やはりエルレインと同じ歴史改変を目論んでいたのか?にしてはその理由は語られてない。どう見ても単なる使い捨てのおバカちゃんにしか…。どうも彼は知能に問題があるようです。まだエルレインのために駒になる決意をしてたダルタリオンとかのほうがマシなキャラだったよ…。

5.ジューダス=リオン・マグナスそしてエミリオ・カトレット

ココで俺は再び叫びたい。何で特技体系まで変えてしまったのか、と。そのままなら爪竜連牙斬も魔人闇も見れたし、シャルティエを持っている事が発覚した後(シナリオ上、カイル達がその事を知った後のこと)はデモンズランスなどが使えるようになっても良かったのに。前作との接点を必要以上に切り捨てたことで、前作との連帯感を必要以上に薄くしてしまったのが残念でならない

極端に言うと、ジューダスが光属性を持ってたことがどうにも納得できないんだよなぁ(笑)。生い立ちから考えても光はどうかと…。

6.リアラのものの考え方

この娘の考え方とか聞いてると、何かとしどろもどろでイライラしてしまった。もう少し自分の意思を介入させて欲しかったんだよなぁ。何するにも「英雄」が行動理念に絡みすぎてて。英雄の決めたことなら、それに間違いはないと決め付けてるようなカンジがあった。まぁそれが「聖女」として自分がなすことだと決めてたみたいなんで仕方ないのかもしれないけど。

でも後半になると、「カイル(自分の探していた英雄)が決めた行為」が「カイル(という人)が決めた行為」に変化した。カイルという人がやってきた事を見続けて、この人は間違ってないと確信したんだろうけど、考えの転機がどこにあったか分からない。いくつかの積み重ねが考えを変えていったんだろうけど、プレイ時間の長いRPGの場合、転機となる決定的なシーンを描いてくれないと印象が残らないんです。その積み重ねの一つ一つは多いんだけど、決定的はシーンは覚えてないなぁ。アトワイト救出シーンくらいか。…あ〜、どうもコレ俺が覚えてないだけかもしれん(爆)

7.巨大レンズを簡単に壊す

…最終戦後にカイルがレンズを破壊したけど、神の眼と同サイズのレンズが単なるそこいらの武器(ちなみに俺が装備してたのは敵からパクったクレイモア)で壊れたのはいかがなものかと。前作ではソーディアン4本…今作のシナリオ補完でシャルティエが加わったので5本か。それだけの力でやっと壊れたモノだったんだが…。それを含めて他にも、前作でたった一個しか見つからなかったベルセリウムが大量に見つかったりと、いくらなんでも前作の設定を軽視しすぎてませんかね?

8.ファンダリアと同じ場所にある街・レアルタ

そんな理由の元、カイル達一行はレアルタへ向かったワケなんですが…別にココで起きるイベントはレアルタである必要は全く無い。そもそもファンダリアと同じ場所にある事以外に何の共通点もなかった。強いて言えば共に図書館が存在するってくらいか?どっちにせよ、とってつけたような理由であることに変わりが無い。どうせなら本編で何の役にも立たなかったアクアヴェイルを使ったほうが良かった気がする。あそこはデスティニーの世界観の中では異国の雰囲気を醸し出してるので、それなりに何かがあっても不思議じゃなかったと思うんだが。それに、ただでさえ同じ地形回されてウンザリしていて、しかも未来編はフィールドが果てしなくややこしかったし。

9.結局

例えば18年前のダイクロフトでのスタン・カイルの共闘イベントなどは前作に無かったのでイベント発生時はツッコむんだが、結局最後は強引に辻褄が合ってしまった。なぜなら時間軸を動かしまくった挙げ句、最後は修正が効いてしまうというシナリオだったんで、途中のムチャクチャで強引な展開すら力技でどうとでもなってしまったから。パラレルワールドで起きたどんなムチャな事件でも、最後に元通りにする方法とその理論さえきちんとしてれば途中のシナリオは何やっても修正が効くのなんか当たり前だっての。

・人々の救いを求める心が、本来存在しないはずの神(とその使いの聖女)を誕生させた。
・神であるフォルトゥナと、その聖女エルレインによる人類を救う理由による歴史の改変。
・やり方が今ある世界を無視しているので、倒さなければならない。
・歴史介入の阻止及びその神を倒すことで改変されてしまった歴史は元に戻る。

…大まかだけど、これさえ決まっちゃえば途中で起こる様々なイベントによる矛盾点は最後の理由によりどうとでも理論付けて完結させることが可能。極端に言えば、途中でファンタジアの世界とダブっちゃったとしても最後の理由により完結させる事だってできる。…でも最初にも書いたけど、これは間違いなく禁じ手だと思う。

10.だけど良かった点もある

…とまぁ、全体的にシナリオはダメダメなんだけど、最後くらい良かったトコも紹介しておかないとね。

今回一番大きかったのは、前作でないがしろにされたリオン周りのシナリオをきちんと補完してあったことだと思う。やっぱ前作でのリオンの扱いはあまりにもヒドかった。でも今回ので十分フォローしてあったと思う。少なくとも俺は18年前のダイクロフトのイベントで、前作のシナリオ上の不満はほぼ完全に解消されたもん。…結局リオン自身は救われなかったけど、その心は完全に救われたので、これはこれで良かったんじゃないかと思う。

エターニアでチャット・フォッグがパーティーメンバーの割りに扱いが悪かったというような問題は今回はなかった。メンバー6人、皆スポットが当たる。良かった良かった。

それともう一つ。今回のシナリオはあくまでも悪くないんだよね。イベントの一つ一つはきちんと盛り上がるし。ただ、どうしても強引さだけが目立っちゃって、全てを霞ませちゃったというか…。まぁ俺としてはこの18年前のイベントによりリオンが救われただけでも、今回は成功したんじゃないかと思ってるんだけどね(笑)

終章 総括、及び次回作展望編〜「切り札は最後までとっておくものよッ!」〜

「それが…あなたの敗因ッ!!」…って、リムルのセリフはどうでもいいって(笑)

ま、なんだかんだで問題点はシナリオの強引さとフィールドマップの見づらさだけだよね。単純にゲームとしての完成度は高いし、戦闘も楽しいから中毒性も高い。SPなどの新要素もきちんと機能してたし。音楽もムービーもその他システム周りも特に問題点は見当たらない。エターニアに比べても格段に進歩してる。格闘ゲームに近いから苦手な人は敬遠しがちだろうけど、そのアクション要素だってコンボコマンドを使わないなら特に苦になるようなものでもない。欲を言うなら格闘ゲーム好きな人のために、コンボコマンドを装備しなくてもコマンド入力にする設定を作ってくれてもいいと思う。

そして最後に次回作への展望だけど…まぁシナリオをどうにかしろって事だけだよなぁ、ホント。結局、今回はシナリオの問題だけが目立っちゃった格好。前作の補完はきちんとしてたんだけどね。これじゃあ、2の補完のために3を出して、3の補完のために4を出さないといけなくなっちゃうよ(笑)

今まで何度も言ってきたけど、個人的にこのシリーズはとうの昔にドラクエやFFを越えたと思ってる。戦闘は本当に楽しいし、ミニゲームなどの要素も評価できるのでこの先も買い続けるだろうけど、そろそろファンタジア越えのシナリオが出ないとこれ以上の成功は見込めないと思う。ファンタジアってPS版しか知らない人は最近かもしれないけど、SFC版からやってる人にとっては…えっと発売が何年前だったか忘れたけど、シナリオに関してはあれ以来全く進歩してない、むしろ後退すらしてる感があるんだよね。キャラデザインに関しても藤島康介に戻せって意見は多いんじゃないかなぁ。少なくとも俺の周りはそうなんだけど。ま、大分慣れたけどね。


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