ぷにぷに☆はんどメイド レビュー

色々あって仕切り直しの再構成。
隠れた名作として当サイトの今季イチオシ作品。


まず一度簡易版にレビューをアップしておきながら、独立して書きなおした経緯について。

これは最初にめんどくさくて簡易版にしちゃったっていう理由があったから(爆)。だけどこのゲームは個人的に大ヒットしたワケで、そして今年最大の目玉であったクラナドの影に潜めておくのは勿体ないと思ったから。せめて俺だけでもこのゲームを盛り上げてやらねばと。

序章 ぷにぷに☆はんどメイドに対する期待と不安〜メイド対女子高生秘書〜

日記や簡易版で書いた購入理由は「グッドウィルのポイントが切れる前にとにかく何でもいいから買いたかった。それがたまたまこれだった」。…ごめんなさい、これ実はちょっとだけウソついてます。確かにグッドウィルのポイントは切れる直前だったし、他に欲しいゲームもなく、たまたま店頭デモも流れいた。だけど、本当は買うならこのゲームしかないと思ってたトカそうじゃないトカ?だって猫耳とかメイドさんだよ?(笑)無論それだけで買うつもりはなかったけど、そこに様々な状況が絡んだので買ったんです。だから本当は買う気はありました。えぇ。ただこういう特殊な状況下で買ったので、期待も不安も特になかった。ヤミと帽子と本の旅人から玉藻とマウが出てるというので多少の安心感はあった?けど。

1章 システムとシナリオ編〜女仙丹の名の元に、何でもアリの世界観〜

まず基本。アドベンチャーゲームに必要な各機能は最低限揃ってます。セーブ・ロードもすぐできるし、クイックもある。早送りやバックログを含め、テキスト関係の機能もきちんとしてるし。この辺りに不満はありませんでした。セーブ数もそれなりにはあると思う。ただ最初からおまけモードに入れないのはちょっと問題かなぁと。音楽は仕方ないとしても、CG・回想モードくらいはねぇ。一度クリアするまでが異様に長かった気がする(笑)

ゲームの主目的は「女仙丹の回収」で、進行の基本はアドベンチャーパートとマップ移動パートの繰り返し。大雑把にまとめるとアドベンチャーパートは主要キャラとのフラグ立て(好感度によるルート分岐)、移動パートは女仙丹回収のための女仙丹メイドとのフラグ立て(バッドエンド判定含む)といったカンジか。特に真新しい要素はありません。ルート(エンディング対象キャラ)分岐により出て来る女仙丹メイドも一部変わる(後半はルート分岐するから)ため、ただキャラを追うだけじゃなかったのは個人的に複数回やる意欲の増加に繋がったと思う。

エンディングの対象キャラはぽち子、黒姫、ゆい、二島雪子の4人。キャラごとに微妙な違いはあるけど大体8〜10話で構成され、7話くらいまでが共通ルート。アニメみたく、シナリオの開始にオープニング、終わりにエンディングと次回予告が流れます。このうち次回予告は当然毎回違うのでいいんだけど、オープニングとエンディングは毎回繰り返されると正直ウザったかった。…全くの余談だが、ロードする度にムービーが流れるワイルドアームズは全然平気なんだよな。なるけ節スゲーなぁ。ワイルドアームズ4早く出ないかなぁ。

2章 音楽編〜お前とお前は帰ってくるな!〜

音楽はかなり良かったと思う。コメディ中心のBGMだけど演出上、シナリオ後半に戦闘シーンなどがあった分、それ系のBGMがあるために質が幅広く感じられた。アレンジも含めてだけど30曲あるならそれは十分な数だと思うワケで。なお、好きなのは「お前とお前は帰ってくるな!」と「戦慄のメイドさん」「奪取!」「強引マイウェイ」あたり。あと、「世の中カネだ。まぁね」なんかはタイトルのセンスが良い(笑)。もしかしたら全体的にクラナドより好きかも。

3章 キャラクター編〜ふにょり、むにょむにょ〜

1.森村宏尚(主人公)

ペット同伴のレストランを作ることが将来の夢。幼なじみでもある二島雪子に恋心を抱いていたりする、どこにでもいるような大学2年生。見た目も性格もエロゲにはあり得ない主人公像。ショタ。

…ってのはあくまで設定と第一印象にすぎない。よもやコイツがプロローグから思いきった性交渉に出たりするとは(笑)。夢なら犯っていいのかよ?しかも自分のペットだろう。それどころか予想外に激しいツッコミスキルを得ていたり、見ていて飽きない主人公でした。ヤる時はヤりまっせ。口癖の「〇〇なのは、いやあぁぁぁっ!」は適当にネタとして使用したりしてみた。

2.ぽち子(ヒロインその1)

宏尚が飼っていたゴールデンレトリバーに女仙丹のかけらが付いたためにメイドさん化。メイ曰く「バイオレンスロリ」。本人は犬も成長すると人間になれると思っていて、これは当然の成長だと思っているらしい。シナリオはぽち子の生い立ちが関係しているわりに意外とあっさりと終わった印象。レトリバーなだけあって怪力。パワータイプ。

3.黒姫(ヒロインその2)

近所の野良猫集団でボスの地位にいた黒猫(この時に宏尚が付けた名前はクロ子)に女仙丹のかけらが付いたためにメイドさん化。人間嫌いだが宏尚だけは別。ヒロインの中では年長でまとめ役になったりならなかったり。シナリオ途中でオレオレ詐欺に引っ掛かった。口調がおばさんっぽい。野良猫だけあって俊敏。パワーよりも手数で押すアジリティタイプ。

3.ゆい(ヒロインその3)

雪子に飼われていたロシアンブルー種の猫に女仙丹のかけらが付いたためにメイドさん化。宏尚のメイドさんになった理由は「ぷちぷち破り勝負に負けた」ため。普通の食事は摂らず、主に悪霊とか人間の怨念などを食べる。まずいモノはマヨネーズをかけるマヨラー。その理由はゆいシナリオで明らかになるが、実は女仙丹メイドではなくもっと上位の存在。そういう点でぽち子や黒姫とは違う存在ではある。個人的にはゆいが一番お気に入りである(笑)。猫ではあるが最も冷静で器用で毒を吐く。テクニカルタイプ。

4.二島雪子(ヒロインその4)

ヒロインの中で唯一真っ当な人間。二島財閥令嬢で才女。宏尚とは1歳しか違わない幼なじみであるが飛び級したり、大学の講師になっていたりするため、宏尚のほうから自然と壁を作ってしまった。それがお互いにどうのこうのってカンジの昔の良きラブコメ(笑)。雪子シナリオは個人と言うよりも物語全体のシナリオをも担っている為に他3人に比べるとやや大味。ミスMとか雪エルとかミカ子とか。動物に懐かれない雪子にゆいが懐いた理由とかはゆい・雪子シナリオを通じて明らかに。必殺のチョーク飛礫は百発百中のテクニカルタイプ。

5.メイリン・トンボ(サブキャラコンビその1)

メイリンはヤミと帽子と本の旅人に出てました。トンボの存在ってなんかメイリンにもう一度スポットを当てるためだけにあったような…。ぷにぷにというよりヤミの補完だった気がする(笑)

6.玉藻の前・マウ(サブキャラコンビその2)

メイリンと同じくヤミと帽子と本の旅人から。二人の関係自体はそっちから変わってません。玉藻の存在や「多次元」というものが曖昧になっている以上、宏尚との関連については想像するしかないんだけど。まぁ三大ボスの一角ですな(笑)

7.メイ・太上老君(サブキャラコンビその3)

「ぬっはーっ!?小生がこんな肉ペンギンと同列の扱いとは何たる屈辱!この恨み、忘れ得ぬうちにメモメモメモ…」

…メイはそんなキャラ。いわゆる汚れ役であるが、女仙丹回収という点ではライバル。メガネを取ると美少女かどうかはもはや疑わしい。太上老君はメイの上司で今回の一件の大元だけど大した出番はなく、やられ役。終盤に顔を出すが、適当にやられて終わる。能力的には決して低くない(らしい)のだが。見た目ペンギン。愛嬌なし。

8.豪徳寺翔平(悪友その1)

ホモ。そっちのモード発動中(クリス)の時は主人公をハニーと呼ぶ。普段は宏尚。ただし作中ではほとんどクリスである。女仙丹が付いたりもした。多次元宇宙レベルでの天才で、地球人にはアクセスできない多次元ネットに自身のホームページがあり、マウがそのファンだとか。一部のシナリオにおいて男としての能力も見せました。その時だけはカッコ良かったよ?

9.海豚田冬樹(悪友その2)

オタクだが決して愚鈍ではなく、クリスほどではないにせよ頭が良い。そうなると、宏尚が一番頭悪いんだよねぇ。大学構内で無農薬野菜を栽培し、それを販売して生活費(主に同人活動)にしている。本人曰く「癒し系DEBU」。生活空間はキャンピングカーで、堂々キャンパス内に駐車して生活している。シナリオ後半、キツネジャマーメイドと恋に落ちるも、他人から見たら地獄絵図。他にもドミニオンから派遣された役人の精神体が乗り移って二重人格化したり。なかなかに難儀なキャラではあったのだが本人はそれをまったく気にしておらず、むしろ寛容に引き受けていたじゃんよ?主人公がムリヤリ製本を手伝わされた同人誌のタイトルは「ほのぼのレイプ」で、次の作品は「おむすびロリコン」らしい。口癖は「〇〇じゃんよ?」。多分、このゲームで最も濃いキャラであると同時に意外と愛着が沸いたのであった。

余談だが、初心者マークメイド・標藤若葉とエッチしたのは彼の車の中。それでいいのか、宏尚?(笑)

4章 女仙丹メイド編〜女仙丹一粒でいいので俺にくれ〜

メインキャラでないのにシナリオ中核に居座る女仙丹メイドたち。彼女らにも触れておかねばこのレビューは完結しない(笑)

女仙丹メイドとはそのものズバリ、女仙丹がとりついた物体(生命体でもなんでも可)をメイドさんにしてしまう夢のようなアイテムである。一つくれ(笑)。シナリオにおいては女仙丹が欠片になってしまったために多数の女仙丹メイドが出現した。強引に切り離すこともできるが、宏尚たちは女仙丹メイドの満たされない想い(キャラによって様々)を解消することで回収することにする。ただし基本的にはエッチである。だってエロゲだもん。。このゲーム内に出てくる女仙丹メイドは総勢20名以上。その中から適当(個人的趣味ともいう)に数名のメイドさんについて以下ツラツラと。

1.キィ・金城(南京錠メイド)

元おまじないのために桟橋にかけられた南京錠。何が凄いって南京錠がメイドさんになるっていう発想が(笑)。ぷにぷにメインキャラが動物なのに、よもや無機物がメイドさんになろうとは予想外すぎて。とにかくインパクトがデカイ。

2.霜降富士子(牛メイド)

牛だけあって巨乳。あと、何気に名前が凄い。狂牛病により傷つけられた牛の地位向上のために奮闘しているだけでなく、某雪〇の牛乳事件のことまで根に持っていたのが非常に笑えた。女仙丹回収後、逆変身をしたために宏尚が鬱になったのも笑えました。そら例え獣耳好きでも逆変身はヘコむわな…。

3.巻子(ロールパンメイド)

ロールパンを普及させるべく奮闘中。ロールパンのドリルもみあげ。取っても取っても再生するあたり、ちょっとアンパンマンを意識してるのかも。ならば必殺技はロールパンチだな。金髪で、ほんのりピンク色の頬で、ミニのタイトスカート。女仙丹メイドの中では俺的に一番の萌えキャラだった。でもアンタ…。エッチシーンなしですからッ!残念ッ!!(なぜここで波田陽区が!?)

4.標藤若葉(初心者マークメイド)

私を経験者にしてください」と、大胆かつ危険発言をしつつ街中を徘徊していたところを宏尚により保護された(微妙に違う)。初心者マークゆえにあらゆる物事に対して初心者であり、教えるほうの持つスキルも無効化してしまう「経験値リセット」なる世界を滅亡に追いやる事のできる特殊能力を持つ。ある意味でノーナンバー霧島香織をも超える世界最強メイド(笑)

…とまぁ、色々な観点から個人的に好きな4人の女仙丹メイドを抜粋してみた。他にも色々なメイドさんがおりました。あなた好みのメイドさんが数名はいるでしょう。ある意味ではメインキャラよりインパクトあるしねぇ。

終章 総括と次回作展望編〜ぷにぷに小生物語〜

まとめると意外な良作。今なら中古で4千円で買える(ミルミルリン調べ)のでオススメ。ラブコメ好き、その中でも特にコメディが強いほうが好きなら間違いなく大丈夫。さすがに獣耳とかメイドさんがダメな人には勧めないけど(笑)

発売後も追加シナリオを配信していたり(全部で4話予定)、公式サイトも週イチで更新している。そういった点でもスタッフが熱意を持ってやっているのが分かるし、修正ファイルもない。作りも全体的に丁寧だと思う。一度クリアしないとおまけモードに入れない(CG・回想モード)のはちょっと減点対象かも。それ以外はさしたる問題もないかな。シナリオが大味なのはまぁコメディだから大目に見よう。できれば選択肢分岐がもう少し細かいとゲーム性が増して良かったかもしれない。

次回作の展望については、このゲームにおける不満の少なさから特に要望はありません。俺のやったゲームの中では、公式サイトの力の入れ具合とかもそうだけど、ここまでユーザー中心にやってくれたゲームはなかったし、今のクオリティでやってもらえればいいと思います。また、残りの追加シナリオにも期待してます。年内はこれでいけそうだ。意外なところから俺の年内ランキングに嵐を起こしそうな予感?


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