モエかん レビュー

モエかん発売から1年と半年。あれから色々ありました。
霧島さんリライトを中心としたファンボックスの発売延期…。
コンシューマに移植されるにあたり新キャラ・命シナリオの追加。
そんなことをしていたら、こんなに時間が経過しました。

とりあえず1年ほど前にまとめておいた資料と併せてご覧ください。


序章 モエかんに対する期待と不安〜コンシューマ版サブタイトル「萌えっ娘島へようこそ」ってどうよ?〜

終の空をやっていない俺にとって、ケロQとはつまり二重影であり、血の匂い漂う生臭さと男くささと、ロマンとかそーゆーの?(言ってて意味分かってない)がウリだと思ってた。だから最初にタイトルを聞いた時にはマジで耳を疑ったよ。よりによって「萌え」ですか、と。そもそもモエかんってどーゆー意味よ?最初の段階ではこれが萌えっ娘カンパニーの略だとは思いもよらずっていうか、分かった後も「どんなだよ!」と三村ばりのツッコミしか出てこない始末。もともと二重影のシステムもコマンド総当たりという過去の遺産で構成されていたり、シナリオの流れはどのヒロインでも同じだし、といったカンジで、全体的に「合わない人には絶対に合わない」ゲームだった。それが世の「萌え」という流れに乗ってしまったのは、個人的に反対することはないが、少々残念だったのです。まぁそんなカンジで、不安のほうが大きかったかなぁと。期待2に不安8といったトコロでした。それを含めた上で以下本編。

1章 システム編〜アナルコキャピタリズムをアナルコだけで変換したらアナル子になった〜

モエかん
とりあえずは普通のアドベンチャーゲームになります。その他基本的なシステムは二重影と同じ。ただ二重影と比べても、クイックセーブ・ロード、バックログなどが充実したこともあって不満という不満はなかったです。ただCGモードが使いにくかったり、音楽鑑賞がないのはマイナスポイント。キャラボイスもメイン以外はないし…。そのあたりは今後の課題だと思います。

萌えっ娘島へようこそ
基本的にはオリジナル版と同じ。ただゲーム中読み込みがある度に音が一瞬止まったりするのはどうかと。音楽鑑賞やイベント鑑賞があるのはなかなか良いのだが。リニア・命シナリオしかクリアしていない。

モエカす
一体全体、どうしてこんなにも使いにくくなったのか…。セーブするのがめんどくさい。その他にも色々言いたいことがあるのだが、やめときます。どうして退化したのかなぁ…。ただし、朝霧一紗に声が付いたりしてるのは評価したい。

2章 音楽編〜大きな古時計は実は99年しか動いていない(トリビア)〜

日本語に訳すと「99年」という節のゴロが悪いからだそうです。そんなワケで音楽については今回も適当に(笑)

まずオープニング。まぁ歌が付いたのも今回が初なんだけど、ノリ的にはさほど好きじゃないんだよねぇ。逆にエンディングは好きだけど。全体のイメージとしてはやっぱ「大きな古時計」の演出かなあ。これはシナリオと絡むからここでは割愛するけど。戦闘系の曲もなかなかいいとは思うけど、とりたててスゴイというところは正直ないかな…。

3章 キャラクター編〜極東日没と我聞くんはどちらが上なのか?〜

答えは女子高生秘書(笑)。1年前の資料にも同じコトが書いてあったりするので、とりあえずそれ以外のキャラを。1〜6までのキャラはそちらを参照。

7.萌野命

・アリスインチェインズの現トップ、セカンドアリス。アリス内での扱いがイヤになって飛び出してきた、ある意味家出少女。萌えっ娘島には「青い鳥」を探しに来た。命にとっての青い鳥とは幸せの象徴であるが、何が自分にとって幸せなのかはよく分かってないようだ。:設定

・アリスにいる間は仕事の時(戦闘)しか自由になれなかったために、基本的には遊びたがりな上にメイドの仕事は一切できない:イベント

・お前二重影出てただろ:個人的見解

8.隷

・庵原博士によって創造された、世界で始めて「心」を持つとされたアンドロイド。リニアとは血縁ということか。LABによりその体に漆黒の力を宿している。NIN所属で、ピクシーズ結成直後からスパイとして潜入していた。実は女:設定

・これはLABの命令もあるだろうが、それ以上に隷個人の感情であろう:イベント

9.飯島克己

・元ピクシーズのメンバーで現在の商品管理部監査室室長(アリスインチェインズ隊長)。かつて「漆黒の神崎」とまで呼ばれ、ナーサリークライムである貴広にある意味では神を崇拝するほどに心酔しており、現在の貴広に対し非常に屈折した感情を抱いている。ピクシーズ解散後、とりあえずの隊長になったあたり、六天以外では最も強かったと思われます:設定

・ま、どのシナリオに入っても大概死ぬんですけどね…。キャラ的には嫌いじゃない:イベント

・モエカすの霧島リライト、飯島の断末魔は「はにゃーん」:イベント

・やっぱり、俺のツレのKにうりふたつなんだけどなぁ:個人的見解

10.おやじさん

・萌えっ娘島の整備室のエライ人。リニアシナリオを始め、各シナリオにおいて結構重要な役割だったりするが名前がない(笑)。灯台のおばさん(これも名前なし)とは夫婦。元LABの研究者だが、左遷されて萌えっ娘島へ。これには霧島差異が貴広のサポートをするためにという意志が働いていたらしい:設定

・コンシューマ版ではボイス有り。演じているのはドラマCDと同じく木渉:設定

11.サードアリス

・パペットサードアリスット:個人的見解

12.朝霧一紗

・アリスインチェイン所属で12番目。「かずさ」の本物。貴広達はかずさと分けるために「朝霧」と呼んだ:設定
・野心家で残忍な性格。モエカすではキャラボイスが付いた。:イベント
・一紗ファンには「モエサクラ」を:ミルミルリンでそれなりの値段で売ってたよ

4章 萌えっ娘カンパニーの内部事情〜三権分立〜

とりあえずモエかんを語るにあたって、貴広を中心にした人間関係以外に、カンパニー内での部署同士の関係とかもあるんで、軽くまとめ。

1.ピクシーズ

正式名称は情報管理部特殊情報課伊部隊。メンバーは36人。水気のナーサリークライム漆黒の神崎を先頭に、神風の伊勢、神風の五十鈴、豪速の島風、浮沈の雪風、壮絶の矢矧といった通称「六天」を中心に活動。取締役会系の部署であったが、「朱キ日」と呼ばれる日に極東日没に負けた貴広の左遷によって六天もピクシーズを脱退、現在は解散しているが、今もなお貴広を中心に繋がっており、そのためか本社の幹部が貴広を野放しにできず、色々策略を練ったりしている。ちなみに神風の伊勢は人間最強と評される。

2.アリスインチェインズ

正式には商品管理部監査室粛清部隊アリスインチェインズ。隊長は飯島で現在のエースはセカンドアリスである萌野命。ピクシーズ解散により権力を失いつつあった取締役会が設立した機関。実験中に暴走して封印された人造人間ファーストアリスの因子を受け継ぐ強化人間、計30人で構成。数字が若いメイドほど強く、制御が利きにくい。また、制御をしやすくするために若いメンバーほど精神的にも子供に近いようだ。建前的には一般メイドの監査及び粛清が任務。

<本編中に出てきたアリスメンバー>

・ファーストアリス(モエカす/萌えっ娘島へようこそ・命シナリオ)
・セカンドアリス=萌野命(萌えっ娘島へようこそ・命シナリオ)
・サードアリス(モエカす)
・9thアリス(モエカす)
・12thアリス=朝霧一紗(かずさシナリオ他)

3.Nガール

萌えっ娘カンパニーの社長を護衛する、全12億人のメイドの頂点に立つ12人の最強メイド部隊。リーダーはN.0の霧島香織。実際には金気のナーサリークライムである霧島差異に力を与えられた存在で金気の力を駆使し、その特性のために不死であったりする。

<本編中に出てきたNガール>

・N.0=霧島香織(全編通して)
・N.3(かずさシナリオ他)
・N.4(霧島シナリオ/モエカす)
・N.6(霧島シナリオエピローグ)
・N.12(霧島シナリオ/モエカす)

4.ナインインチネイルズ

本部監察室直属特殊監査。通称NIN。アリスと違って上部社員の粛清が任務。本編中にはそのメンバーは隷しか登場しておらず、全体的にもどれほどの戦闘能力があるのかは不明。分かるのは人工ナーサリークライムをそのまま配備しているだろうということか。前資料でまとめたように、水以外のナーサリークライムがいる可能性は低い。LAB管轄で、N計画の研究成果そのもの。

5.各組織の利害関係

実はシナリオの時間軸内で目立った対立関係にある組織はない。内面的に霧島差異の率いるNガールとLAB管轄のNINが対立しているくらい。取締役会的にはアリスと他組織も対立関係にあると思い込んでいるようだが、実際はNINに踊らされているだけ。しかも隊長の飯島が貴広の事しか考えておらず、不安定だし。つまり、組織の上層部の思惑がモロに組織を動かしている状態で、カンパニーの内部は極めて不安定。そこに神崎貴広や極東日没といった個人の能力が絡むものだからややこしい事この上なく、実際は霧島差異対LABの様相を呈している。解散したピクシーズは六天のみが秘密裏に貴広と接触しているが、貴広が動かない限り活動はない。

5章 シナリオ補完編〜それこそモエカすの存在意義…のハズ〜

まぁこれも前資料でそこそこまとめたと思うんで、モエかんで中途半端になっていた部分の補完解析をば。

1.霧島差異の目的と理論

霧島差異の目的は木気のナーサリークライム・榊千尋の復活。そのために木気の相生に当たる水気のナーサリークライム・神崎貴広の覚醒が必要だった。これは今までに分かっていること。で、モエカす霧島リライトのクライマックスで差異が狙っているのが「貴広と千歳(リニア)の子供が千尋である」ということ。自身半信半疑であるようだが、まぁ一応はそのために一連を仕組んだワケです。個人的に理解できないのが、どうしてそうなるのかなんだよねぇ。ナーサリークライムは2通りあって、ナーサリークライムが人の形になったもの。これが普通。そして貴広のように、人にナーサリークライムが付く場合があるようで。ってことは千尋は後者?でもシナリオの全体を読む限りは貴広だけがそういう形でナーサリークライムになっているからこそ一連の騒動があるように見えるんだけどなぁ。だったら千尋はどこか別のところにいると思うんだが。結局霧島差異ひとりが勝手に暴走してるようにしか見えません。モエかん霧島シナリオでの最後「もうすぐ解放される」って言葉の意味もモエカすでは分からなかったしなぁ…。

2.置き去りにされた火気のナーサリークライム

全くシナリオに関係してきませんでした。全員そろってこそ意味があるんじゃないのか?あれだけのインパクトを残した極東日没も結構置き去りだったよねぇ。

3.冬葉の出自

個人的にはモエかん一番押しの冬葉。モエかんで語られなかった冬葉の謎は結局置き去りでした。思わせぶりな発言があり、設定もあるのに。クリスマス=ジーザスアンドメリーチェインに関係し、貴広は冬葉のことを知らないのに冬葉は貴広を知っている。この辺りには色々とあるハズなんだけどなぁ。いくら萌えっ娘カンパニーのメイドが凄いからって、癒しの力は明らかに常人の能力ではないワケで。

終章 まとめと次回作展望〜その前に特典同人誌を〜

モエかんのまとめとしては、設定を広げすぎたのが色々波紋を呼んじゃった形ですかねぇ。ちょっと謎を謎のまま終わらせすぎたというか。まぁそれも霧島香織と実相寺冬葉のシナリオのみだけど。各シナリオの後半ではケロQたる戦闘シーンが見物で、特にモエカすでは演出が増えたことでかなりの熱さがありました。前半の萌えから後半の燃え。ケロQとしての王道は貫き通したと思います。

次回作では謎を謎のまま終わらせないようにしてほしいということ。その一点につきます。ケロQにはこれからもこのノリで行って欲しいと思います。


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