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【偲び草】 市川正一郎氏を偲ぶ
朴水 |
正一郎と大きな返事初句会 |
昭風 |
早発ちの黄泉の吟行ひばり東風 |
房子 |
春星の一つを君と今日を閉づ |
艶子 |
花も見ずなぜ急がるる黄泉の旅 |
克代 |
あっけなき桃の節句の訣れかな |
紀美子 |
ひいなの日童の如く眠りたり |
妙子 |
葬送の遠鹿見の山も霞みたり |
和義 |
惜しまれて君逝きたもう春の雨 |
幸子 |
三河誌を愛し君逝く春おぼろ |
玉泉 |
友失くしあとの淋しき初音かな |
安子 |
杖置いて花の浄土に遊びしや |
玲子 |
高笑う明るき句座や桃の花 |
美智子 |
竜天に登る杖なき黄泉の旅 |
昭風 |
いつもの道いつも会う人幣辛夷 |
房子 |
水槽に黒眼せはしき菜種河豚 |
艶子 |
売地札たて満開の花菜畠 |
克代 |
クレープの上手に焼けて春休み |
幸子 |
乗り継ぎて友を見舞いし春の雪 |
紀美子 |
官女らのうふふと笑い桃の花 |
妙子 |
ぜんまいの拳振り上ぐ華道展 |
和義 |
梅散って見上げる空は枝ばかり |
玉泉 |
アパートの空室多し土筆生ふ |
安子 |
愛想よきピアスの石工燕来る |
玲子 |
合格の少年背丈伸びにけり |
美智子 |
片時の浅き眠りや春の風邪 |
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